清華大學國情研究センターの胡鞍鋼主任(教授)はこのほど、中國と世界経済の復興をテーマとする次のような論考を発表した。
2009年は21世紀に入って以來、中國にとって経済社會の発展が最も困難だった年とみなされている。史上稀にみる國際金融危機の深刻な打撃や自然災害の頻発といった困難、課題に直面して、中國の外部ニーズは大幅に減少し、生産能力は過剰になり、企業経営は困難に陥り、失業者が増大し、経済の成長ペースが明らかに低下した。2008年11月中國政府は他國に先駆けて內需拡大方針を決定し、10項目の措置を打ち出し、経済の発展を刺激する一連の投資計畫を果斷に実施して、わずか一年で國際金融危機への対処に成功し、世界各國の中で率先して経済を復興させた。
中國は世界経済の復興推進において、どのような役割を果たしてきただろうか。私は少なくとも次の4點を認める。
(1)他國に先駆けて経済成長を促進し、世界経済の復興に向けて積極的に努力した。これは中國経済が世界の経済総量に占める割合が上昇を続けたこと、中國が高い成長率を維持したことが原因だ。この2點を受けて、世界全體の國內総生産(GDP)増加に対する中國の貢獻度がますます高まった。
中國経済が復興すれば、2010年から2015年にかけて中國の経済成長率は8-9%の水準を維持することになり、世界の経済成長の牽引役となり、世界の貿易成長の筆頭の牽引役ともなる。今回の危機のさなかにあって、中國は高度成長を維持し、経済全體の実力が目立って上昇し、米國や日本などの先進國とのパワーバランスに重大な変化が生じた。
(2)中國は自國のことをしっかりと行い、世界的な経済危機あるいは金融危機への対応と処理における最大の「安定裝置」となった。世界銀行のデータバンクの算定によると、國際金融危機発生前の01-08年に、中國は主要20カ國?地域(G20)において経済成長率がトップだっただけでなく、経済の変動係數も最も小さかった。09年は中國とインドだけが経済成長率の低下を最も小幅にくい止めた。
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