しかし、経済成長様式の変革というのはそもそもが複雑で系統的な事業であり、中國にとっても極めて大きな挑戦である。中國事情専門家?Pieter Bottelier氏は、中國経済変革の事業は長期的かつ困難な過程を経ることになるだろうし、中國特有の國情も相俟って、このような変革に関して拠り所となる先例を見いだすことは難しいだろうと考えている。
これに対し、日本貿易振興機構アジア経済研究所研究員である佐々木智弘氏は、経済成長の過程においてもたらされる様々な社會的矛盾や貧富の差を解消することが、経済成長様式の変革における重要な付帯的課題であるとし、これについて中國は日本の経験や教訓を參考にすることができるとの考えを表明している。
「1960年代の日本でも高度経済成長に伴って、都市と農村の成長格差などの悪影響が(社會に)もたらされた。経済成長を実現した後にも、社會福利制度(の整備が追いつかないという問題)や環境汚染など數多くの問題があった。(中國は)日本が當時どのようにこれらの問題を解決したのかを參考にし、日本の失敗経験から學びとることができる。20年の長きにわたって延長してきた退職金制度も、現代の日本では発展趨勢に見合わなくなってきている。この制度がなぜ立ちゆかなくなったのか、中國はこの機會に研究し、その成果を今後の成長に役立てるべきであろう。成功の事例よりも、日本の失敗例を參考にする必要がある。日本はなぜ失敗したのか、失敗の後どのように挽回したのか。こういったことについて考察することが、中國が今後改革を進めていく上で有益に働くだろう」と佐々木氏は述べている。
「チャイナネット」 2010年3月15日