中國の専門家は28日、北京で「人民元の大幅な引き上げは中國経済に悪影響をもたらし、世界経済の回復にもプラスとならない」との見方を示した。
中國人民大學の陳雨露副學長はこの日開かれたシンポジウム「回復に向かう世界経済と人民元為替相場」で、「人民元の大幅の引き上げは中國の輸出業界に悪影響をもたらすとともに、資産価格の上昇によるバブルを招く恐れがある。また、ホットマネーの大量の殺到を導き、中國の通貨市場の流動性の管理にプレッシャーをもたらす可能性もある」と指摘した。
北京大學経済學院の劉偉院長は「現在、中國経済の安定した発展は世界経済の回復にとって非常に重要である」と述べ、「民元の為替相場は基本的な安定を保つべきだ」との認識を示した。
また、中國社會科學院経済所の袁鋼明教授と中國人民大學國際通貨研究所の向松祚副所長は「日本では1980年代、円高を迫られたことが、國內産業に打撃をもたらし、デフレーションと10年余りの経済低迷を招いた。中國はこの教訓を汲み取るべきだ」と述べた。
「中國國際放送局 日本語部」2010年3月28日