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「世界の工場」の地位が揺らぐ中國 日本の失敗の前例を避けるためには

「世界の工場」の地位が揺らぐ中國 日本の失敗の前例を避けるためには。 南京大學商學院の宋頌興教授は、今後中國は産業シフトを順を追って著実に進め、モデルチェンジの過程を遅らせてハイテク競爭に向けた準備をすべきだとし、日本がここ20年間経済が低迷している原因の一つとして、モデルチェンジのスピードが速すぎたことが挙げられると指摘した…

タグ: 世界の工場 日本 中國 人件費 産業モデル転換

発信時間: 2011-07-03 12:49:18 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

米スポーツ用品大手のナイキがこのほど発表した2011年第4四半期決算には、世界各地にある生産拠點のシェアは示されていなかった。しかし、あるメディアは昨日、「2010年に中國に取って代わりナイキにとって世界最大の生産拠點となったベトナムは、2011年もその地位を守ることになるだろう」との予測を発表した。

中國で人件費が上昇するに伴い、多くのメーカーが東南アジアなど人件費の低い國に生産拠點を移すようになった。一方で、多くの外資系企業が研究センターを中國に移すなどの動きを見せている。

人件費上昇による変化

2010年から「ベトナム製」の文字が、中國で販売されているナイキの靴で多く見られるようになった。

ナイキは海外の業者にスニーカーの生産を委託している。2010年までは、中國はその最大の生産國であったが、2010年以降、ベトナムが中國からトップの座を奪った。ナイキのデータをみると、2001年の時點で、中國はスニーカー生産シェアの40%を占め、世界1位だった。一方、ベトナムは13%を占めるにすぎなかった。2005年になると、中國のシェアは36%にまで落ち、一方、ベトナムはシェアを26%にまで伸ばし、世界2位となった。2009年、中國とベトナムのシェアは36%で並び、2010年に、中國はベトナムに抜かれることとなった。

ナイキは、スニーカーの生産にとって人件費は重要な要因であり、競爭力を保つためには、人件費を24%以內に抑えなければならないとしている。過去30年間、ナイキは各地のコストの変化に応じて、生産拠點を次々と移した。最初は日本で生産していたが、人件費の上昇にともない、生産拠點を韓國と臺灣省に移し、その後は、フィリピン、タイ、マレーシア、香港に移行した。中國に生産拠點ができたのは1981年のことである。

「長年以來、人件費の安さが中國の特徴だった。しかし、最近は、人民元の切り上げ、インフレの拡大により、人件費が上昇し、中國はその優位性を失うこととなった。現在、多くの企業が工場を人件費のより安い國に移すようになっている。」南京大學商學院の宋頌興教授はインタビューでこう答えた。宋教授によると、今後この流れはさらに顕著になっていくという。

業界関係者によると、「中國製」に対する保護貿易主義の臺頭と人民元の切り上げにより、過去10年に渡り世界一の地位を築き上げた「中國製」に変化が訪れた。しかし、これは中國が世界の工場としての優位性を失ったという意味ではない。「ベトナム製」は「中國製」に取って代わる存在ではなく、あくまで「中國製」の補足的な存在であるという。

 

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