真っ青な空に聳え立つヒマラヤ山脈の白い峰。この雄大な景色は、わずか數十年後には、ハガキに殘る過去の記憶になるのかもしれない。中國とインドの國境を走るヒマラヤ山脈には世界で最も高い9つの峰が存在し、「南極」、「北極」と並んで地球の「第三の極」とも言われている。
青蔵高原(チベット高原)には4萬6000カ所の氷河があり、貯蔵されている氷の量は世界全體の15%に相當する。しかし、「南極」、「北極」と同様に、地球溫暖化でヒマラヤ山脈の氷河も姿を消しつつある。
スペインの『ABC新聞』が6日に伝えたところによると、中國政府の試算では、青蔵高原で毎年247平方メートルの氷河が解けて消える。1950年代以來、すでに7600平方キロメートルの氷河が失われ、青蔵高原の氷河面積全體の約18%に相當する。これは非常に深刻な環境問題だ。長江、黃海、メコン川、雅魯藏布江(ブラマプトラ川)など、アジアを代表する大河は、いずれも「世界の屋根」と呼ばれる青蔵高原の氷河を水源としている。氷河の融解は、流域で暮らす20億人の生活を脅かしかねない。
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報道によれば、青蔵高原の気溫の上昇幅は世界のほかの地域をさらに上回っているため、2050年には氷河の3分の2が消えてしまうと予想されている。また、過去10年にわたり、青蔵高原で永久凍土の融解も進み、地下水の浸透を引き起こした。中國科學院の最新予測によれば、本世紀末ごろに、青蔵高原の80%の永久凍土が消失する可能性がある。さらに、數千年前に形成されたこの地層には1萬2300トンの二酸化炭素が含まれており、永久凍土の融解にともない大気中に放出されれば、溫室効果ガスの量がさらに増えるという悪循環を招く。
一部の氷河は毎年300メートルの速さで消失。標高5200メートルのエベレスト大本営エリアでは氷河がすでに無くなっている。これによって、短期間內にヒマラヤ山脈の大河流域で洪水災害がさらに増え、中國、インド、ネパール、ブータン、バングラデシュなどアジアの國々に甚大な被害を及ぼす恐れがある。
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?中國網日本語版(チャイナネット)? 2015年12月8日