量子衛星により、古代中國の有名人が、世界に知られるようになった。臺灣紙『中國時報』は「世界初の量子衛星はなぜ墨子號と呼ばれるのか、なぜこの2400年前の人物の名がつけられたのだろうか、墨子と量子科學には何の関係があるのだろうか、と好奇心を抱く人もいるだろう。墨子はかつて、ある種の粒子論を打ち出したことがある。墨子の名をつけたことは、中國文化への自信を示している。政治思想家として知られる墨子には、『科聖』という稱號があり、中國人科學者の始祖と讃えられている。墨子は科學思想面で、中國で最も古い宇宙の概念、數學の論述、物理の観念などを示しており、機械製造でも名を知られる」と伝えた。
香港紙『南華早報』は「この衛星が墨子と呼ばれるのは、初の実験を行うという獨創的な本質のみならず、中國の伝統文化への敬意によるものだ。古代中國は『革新の楽土』で、火薬、紙、活版印刷、羅針盤を発明した。今の中國は數十年の高度経済成長を経て、世界最大の科學者?技術チームを育成し、一流の科學技術と先進的なハード?設備を手にしている。中國は雄志あふれるプロジェクトにより、輝かしい過去を取り戻そうとしている。中國人科學者は、『量子通信衛星の任務は、他國がこれまで試みなかった內容になる。中國は百年以上に渡り、他者の後を追ってきた。量子通信衛星は、中國が宇宙技術で他國をリードするための第一歩だ』と述べた」と報じた。
中國がこの世界一を手にすることができたのはなぜだろうか?多くの海外メディアは、國による支援と判斷している。ウォール?ストリート?ジャーナルは「米國、歐州、日本、世界のその他の地域の科學者らが、量子という亜原子粒子の探査を目指している。これは神秘的なだけではなく、科學技術の進歩を促す大きな力を含む可能性がある。しかし研究者によると、この分野の研究に従事する世界の科學者は、國からの支援で中國ほど運に恵まれていない。量子技術の発展促進は、今年3月に発表された中國の五カ年計畫の中心戦略とされた。中國政府は量子研究および今回打ち上げられた量子衛星のため、どれほどの経費を投じたかを公表していない。しかし中國の2015年の基礎科學研究経費は1010億ドルに達し、2005年の19億ドルを大幅に上回っており、そのうち一部が量子物理に使用されている」と伝えた。
南華早報は「中國人科學者の努力は、歐州、米國、ロシア、カナダ、日本の同業者から尊敬と賞賛を勝ち取っている。オーストリア科學アカデミー代表、歐州量子衛星プロジェクトリーダーのツァイリンガー氏は、墨子號の打ち上げはすべての人に福をもたらし、世界範囲內で量子通信が実現可能であることを証明すると述べた」と報じた。
「中國網日本語版(チャイナネット)」 2016年8月17日