日本の主要企業100社を対象に、朝日新聞がこのほど景気アンケートを実施した。「消費者はなぜ、お金を使わないのか」について理由を3つまで聞いたところ、「人口の減少や國家財政難など、日本の將來に不安を覚えるため」との回答が65社と最も多かった。
東レの日覚昭広(にっかく あきひろ)社長は、「先行きの不透明さが払拭できず、不安感が増し、消費意欲をなくしているため」と指摘。富士重工業の高橋充(たかはし みつる)専務も、「同じ努力をすれば賃金はすべて上がるという経済社會構造はもはや存在しなくなった。多くの企業がベースアップを実施したものの、國家財政や社會保障に対する不安感が強いため、かなりの部分を貯蓄に回しているのではないか」と述べる。
大丸松坂屋百貨店を傘下に持つJ.フロントリテイリングの山本良一社長は、「百貨店で婦人服や紳士服を購入する中間層の消費スタンスが非常にシビアになっている」と指摘。バンダイナムコホールディングスの淺古有壽(あさこ ゆうじ)取締役は、「消費増稅は10%がゴールではないとの懸念が広がっており、ゴールが分からないゆえに將來に対する不安が払拭できないない」との見方を示す。