今年の全國両會(全國人民代表大會と中國人民政治協商會議)の政府活動報告は、「イノベーションが導く実體経済モデル転換?高度化」を2017年の重點任務の一つに位置付けた。イノベーション主導の成長戦略を通じ、実體経済の構造合理化と、質や効率、競爭力の向上を目指す。
全國政治協商會議委員(政協委員)で伊利集団の董事長を務める潘剛氏は、現時點ではイノベーションの認識の弱さ、投入の不足、人材の欠如、規格化の遅れなどの問題が、中國の実體経済のイノベーション成長を大きく抑制していると指摘した。
全國人民代表大會代表(人大代表)を務める新希望集団の劉永好董事長は、実體経済の良し悪しではなく、お互いの変革がイノベーションの行方を決め、若年の活用でイノベーション変革のチャンスを摑むことが総合力の向上につながるとの見方を示した。中國政府が政策的な企業の後押しと支援で早急に企業のモデル転換?高度化を促進し、技術、サービス、マーケティングの向上や合併?買収などを通じて企業の強大化を図る必要があると話している。
供給側構造改革が進むなか、老舗ブランドの活力を蘇らせることは、今年の全國両會の代表委員たちが注目するテーマの一つだ。記者によると、中國商務部、文化部、工商総局など16部門は先ごろ、「老舗ブランド改革?イノベーション促進に関する指導意見」をまとめ、老舗ブランドの伝承とイノベーションから、経営拠點の保護強化、知的財産権の改革推進という3つの分野に関する8項目の任務を打ち出した。中華老舗新興計畫専門家委員會の尹杰主任は、中國の老舗ブランドに欠けていて最も重要なのは経営者の意識で、意識を変えるだけで老舗ブランドは絶対的なアドバンテージを発揮できると説明している。