中國の個人所得稅収は2016年、比較的急速に増加し、1兆元の大臺を初めて突破した。財政部が1月に公表したデータによると、昨年の全國の個人所得稅収は1兆89億元で、前年を17.1%上回った。
全國の個人所得稅収は近年、急速な伸びを保持し続けている。データによると、2013年の個人所得稅収は6531億元で前年比12.2%増、2014年は7377億元で同比12.9%増、2015年は8618億元で同比16.8%増だった。
都市別に見ると、2016年は上海が1482億7千萬元の個人所得稅収でトップで、北京が1428億1500萬元でこれにぴったりと続いた。中國で個人所得稅収が1千億元の大臺を上回っている都市は現在、北京と上海の2都市だけだ。
その原因を考えると、まず、北京と上海はいずれも「超一線都市」であり、個人所得稅収が最高となるのは不思議ではない。同時にこの2大直轄市は、高所得層が集中する近代サービス業が最も発達している都市でもある。
國家統計局のデータによると、2015年の平均年収が最も高かった業界は11萬4777元の金融業で、情報伝送?ソフトウェア?情報技術サービス業が11萬2042元、科學研究?技術サービス業が8萬9410元でこれに続いた。分布から見ると、上海と北京は、これら高所得の産業が最も集中する都市である。
このほか北京と上海にはさらに、中央企業や國有企業の本部や多國籍企業の中國本部が多く集中しており、その他の都市にいるこれらの企業の従業員の個人所得稅はすべて本部で支払われる。
広東體制改革研究會の彭澎?副會長は第一財経に対し、「企業の経営陣は本部がある場所におり、租稅は主にその場所で支払われることになる」との分析を語った。
2016年の個人所得稅収で北京と上海に続く3位は深センで、757億8700萬元に達した。この額は北京と上海の半分を少し上回るにすぎないが、深センの人口がその半分程度であることを考えれば、深センの一人あたりの納稅水準は北京と上海に匹敵する計算となる。これは、深センの賃金収入水準が北京と上海とともに中國の賃金収入水準の先頭グループにあることを裏付けている。