■ 2020年、中國で最も製造業輻射力が高かった都市は?
〈中國都市総合発展指標〉に基づき、雲河都市研究院は中國全297地級市(地區級市、日本の都道府県に相當)以上の都市をカバーする「中國都市製造業輻射力」を毎年モニタリングしている。輻射力とは都市の広域影響力の評価指標である。製造業輻射力は都市における工業製品の移出と輸出そして、製造業の従業者數を評価したものである。
〈中國都市総合発展指標2020〉で見た「中國都市製造業輻射力2020」ランキングのトップ10都市は、深圳、蘇州、東莞、上海、寧波、仏山、成都、広州、無錫、杭州となった。この10都市のうち、蘇州、東莞、無錫の3都市の輸出額が若干マイナス成長だったのに対して、その他の都市は輸出増を実現した。これら製造業スーパーシティの輸出力の強靭さが際立った。
周牧之教授は「これらトップ10都市のうち、深圳、蘇州、東莞、寧波、仏山、無錫の6都市は改革開放前、殆ど工業の蓄積を持たず行政の中心都市でもない小さな町であった。とりわけ深圳は、都市ですらない村であった。これらの町を製造業スーパーシティに仕立てたのは、グローバルサプライチェーンの躍動であった」と指摘する。
図2 2020年中國都市製造業輻射力ランキングトップ30都市