■ 中心都市に空港機能が集中
「2020年中國都市空港利便性ランキング」のトップ5都市が全國空港旅客數に占めるシェアは28.1%に、トップ10都市は45.5%に、トップ30都市は77.4%にも達している。中國の航空旅客輸送は中心都市に集中している。
図2 2020年中國都市における空港旅客數の集中度
一方、「2020年中國都市空港利便性ランキング」のトップ5都市が全國空港貨物取扱量に占めるシェアは56.8%に、トップ10都市は70.6%に、さらにトップ30都市は91.7%にも達している。このうち、深圳、杭州、鄭州、南京、長沙、済南、南昌の7都市では、空港貨物取扱量が2019年より増加した。周牧之教授は、「航空旅客輸送と比較して、航空貨物が中心都市に集中する傾向がさらに顕著だ」と指摘している。
図3 2020年中國都市における空港貨物取扱量の集中度
■ IT産業の発展に空港利便性は不可欠
雲河都市研究院は中國の全297地級市以上の都市の空港利便性、コンテナ港利便性、鉄道利便性といった交通中樞機能と、製造業輻射力とIT産業輻射力の相関関係を分析した。図4で示すように、製造業輻射力との相関関係が最も深いのはコンテナ港利便性である。その相関係數は、0.65に達し、「強い相関関係」を示している。それに対して、製造業輻射力と空港利便性との相関関係は弱く、その相関係數は0.48しかなかった。
製造業輻射力と真逆に、IT産業輻射力と空港利便性との相関関係が強く、その相関係數は0.65に達している。
周牧之教授は、「航空輸送はグローバルサプライチェーンの重要な基盤であると同時に、人の流れを支える基盤でもある。交流経済の代表格のIT産業の発展は、航空輸送の支え無しには成り立たない」と分析している。
図4 2020年中國都市空港利便性と都市各産業輻射力との相関関係分析
「中國網日本語版(チャイナネット)」2022年10月17日