市場取引メカニズムを改善し、資源の利用効率を高めるため、中國は電力現物取引市場の構築を模索している。電力トレーダーという職業が誕生した。
電力トレーダーは地域経済の運行、天気、発電所の稼働狀況などの分析を通じ、各時間帯の電力市場の需給狀況を導き出すことで、取引もしくは提案を行う。
昨年末現在の中國の再生可能エネルギー設備容量は12億kW超で、水力発電、風力発電、太陽光発電、バイオマス発電、建設中の原子爐の設備容量でいずれも世界一になっている。社會でクリーンエネルギー発電を優先的に消化する中、従來の火力発電所は市場の需要に正確に合わせて発電量を計畫する必要がある。
晉控電力同華山西発電有限公司で働く電力トレーダーの劉一凡氏は、「以前の電気料金は固定されていたが、現在は電力のすべてが現物市場で取引されており、市場の需給によって料金が変動するようになった」と述べた。
同じ電力トレーダーだが、劉一凡氏は火力発電所の売電の収益をさらに高めるのが仕事で、売電企業で働く張師氏は安く購入し取引先に販売するのが仕事だ。
中國は2030年までのCO2排出量ピークアウトと、2060年までのカーボンニュートラル(「ダブルカーボン」)の実現を目指し、排出削減の約束を果たすため取り組む。ダブルカーボンの目標は人々の考え方と行動に大きな影響を及ぼすと同時に、炭素排出削減関連の一連の新たな職業を生んだ。
山西省長治市で、建築省エネ?排出削減コンサルタントの楊振強氏は7000平方メートル弱のオフィスビルの省エネ?排出削減改修プロジェクトへの提案に追われていた。「改修後は暖房費が毎年約24萬元減り、電気料金は約11萬元減る」
建築省エネ?排出削減コンサルタントは、中國人的資源?社會保障部が昨年発表した18の新職業の一つだ。省エネ?排出削減技術により、建築物及びその置かれている環境などの評価?調節?改修などを行う。
2022年版「中華人民共和國職業分類大典」には、省エネ?環境保護やクリーン生産などの134のグリーンな職業が記載された。
劉旺氏(32)は、「これはグリーンな発展の理念が日増しに人々の心に浸透していることの現れだ」と述べた。
劉旺氏は炭素排出計算員で、特定の地域?企業?製品の溫室効果ガス排出データを計算し、その後の炭素調査や炭素取引にデータサポートを提供する。
中國全國炭素排出権取引市場が2021年7月16日、正式に取引を開始した。各業界が徐々に全國炭素市場に進出し、炭素排出計算員を含むダブルカーボン人材の需要が持続的に増加する。
中國石油?化學工業連合會産業発展部の李永亮副主任によると、第14次五カ年計畫期間中(2021?25年)に中國が必要とするダブルカーボン人材は55?100萬人にのぼる見込みだ。
李氏は、「今後一定期間に渡り、炭素排出管理の知識と技能をしっかり把握した人材や、ハイレベルな複合型人材などが比較的不足する」と述べた。
中國が産業のグリーンで低炭素なモデル転換を著実に進める中、グリーン新興人材の育成も速やかに行われている。教育部は昨年「ダブルカーボン高等教育人材育成體制建設強化活動案」を通達し、グリーンと低炭素の理念を教育體制に組み入れた。複數の大學がカーボンニュートラル學院を設置し、専門人材の育成を開始した。將來的に省エネ?排出削減、環境保護コンサルティング、グリーンファイナンスなどの分野でより多くの職業が誕生し、より多くの人材の雇用を支えることになる。
「中國網日本語版(チャイナネット)」2023年7月25日