中國は最近、金融協力の強化と経済?貿易往來の拡大について各國と協議しており、自國通貨建て決済の促進で新たな進展を迎えた。
中國は二國間の自國通貨建て決済計畫をめぐり、関連諸國と手を攜え協力し、近年多くの成果を手にしている。中國人民銀行は2021年9月にインドネシア銀行と、両國の自國通貨建て決済協力枠組みの運用開始を発表した。インドネシアはベトナム、ラオス、ロシアなどの9カ國に続き、中國と二國間の自國通貨建て決済関係を結んだ「一帯一路」共同建設國になった。中國は23年の年初にブラジルと、現地で人民元建て決済の仕組みをつくる協力覚書に署名した。ブラジルは中國と自國通貨で二國間貿易決済を行うことを発表した。また中國とフランスの企業は23年3月に初の液化天然ガス越境人民元建て決済取引を完了した。アルゼンチン政府は23年4月、人民元建て決済により中國から商品を輸入すると発表した。
アモイ大學経済學院金融學科教授、同校「一帯一路」研究院副院長の蔡慶豊氏は、「ドルを決済通貨とすると両替が生じ、時間と費用の発生が不可避だ。自國通貨建て決済によりこれを省き、取引の時間と費用を減らし、越境貿易の利便性を高めることができる。また自國通貨建て決済はドル相場の変動によるリスクを回避し、為替差損を減らし、外貨準備の圧力を和らげることができる。取引フローの簡素化により、自國通貨建て決済はさらに資金の回転を加速し、越境投資を促進できる」と述べた。
ブラジル?サンパウロ大學経済?國際研究所のマルコス?ピレス所長は、ブラジルと中國の自國通貨建て決済の協力について、「これはブラジル企業による中國のサプライチェーン、特に電気自動車(EV)、クリーンエネルギー、バイオテクノロジー、精密農業などへの積極的な參加を促す。金融の面を見ると、自國通貨建て決済により多くのレアル及び人民元資本を生み、直接投資をけん引できる」と述べた。
蔡氏は、「人民元レートのリスク対応力が近年強化されており、感染癥のショックや地政學的衝突などの短期的なリスクを受けながらも、人民元は長期的に合理的でバランスのとれた水準でほぼ安定を維持している。関連國にとって、越境貿易決済における人民元の選択は、為替変動の影響を軽減し、決済コストを減らし、取引の効率と安全性を高めることができる」と述べた。
蔡氏はさらに、「中國とその他の國及び地域の自國通貨建て決済協力は、國際通貨制度の多元的な発展を促し、関連國及び地域の金融経済の自主性を強める。國際貿易と國際金融活動のドルへの依存を弱め、FRBの金融政策と為替リスクの國際経済のファンダメンタルズへの悪影響を減らす。これにより國際経済のシステマティックリスクを減らし、安定性と持続可能性を高める」と続けた。
中國人民大學國家発展?戦略研究院の鄒靜嫺準教授は、「大口商品貿易國にとって、自國通貨建て決済の推進は國際大口商品の価格決定における発言権を高め、國際的な影響力を拡大する。新エネ分野は自國通貨建て決済の未來の活用方向の一つになる見込みだ」と述べた。
「中國網日本語版(チャイナネット)」2024年6月12日