ラフ族の村民たちとギターの弾き語りを披露する李娜倮さん(手前)
雲南省普洱(プーアル)市瀾滄ラフ(拉祜)族自治県に暮らすラフ族は「話せるなら歌える。歩けるなら踴れる」といわれるほど、歌と踴りにたけた少數民族だ。貧しく立ち遅れた現狀から脫卻するため、省と地方の黨委員會の指導の下、ラフ族の人々は自分たちの伝統的な民族文化を生かし、新たな貧困脫卻の道を切り開いている。
「観光客の皆さんに歌と踴りを披露できて、とてもうれしいです!」。30分間の公演を終えたばかりの李娜倮さん(34)は、依然として高く響き渡っている聲で話した。
老達保快楽ラフ演蕓有限公司(興行會社)は2013年に設立された。公演の出演者は瀾滄県酒井郷勐根村老達保村民グループのラフ族を中心としている。このグループの村民は以前、しばしば招待に応じて全國各地で公演し、評判がとても良かった。これを見た瀾滄県政府は村民グループに対し、ラフ族の民族的情緒にあふれたショーを地元で催し、観光客誘致に取り組むよう提案した。歌と踴りを愛する村民は政府の提案に喜んで同意した。
これまでに同社は地元で730回以上公演を開き、延べ12萬人を超える観光客を引きつけた。また、ほかの地域に招かれて200回以上公演し、計407萬元の収入を得た。出演者の配當金は年平均1萬6250元に上る。
李さんは4人家族で、主に茶摘みやトウモロコシと水稲の栽培で生計を立てている。李さんは以前、つらい農作業で疲れ果てるばかりで、生活の楽しさがなくなっていた。入社後、心の中で長らく抑え付けていた歌と踴りに対する情熱があらためてほとばしった。
「観光客が來ればラフ族の民族舞踴を全力で披露し、來なければ畑仕事をしています。興行収入はみんなで分けています。毎年の配當金の額を細かく計算したことはありませんが、以前よりも生活が楽しくなりました!」。李さんはギターの弦をはじきながら笑顔を見せた。
40歳の張扎啊さんは同社の董事長だ。興行會社のほか、地元で民宿やオリジナルグッズの小売店を経営しており、年収は十數萬元に上る。しかし、経営にたけた張さんにとって、興行會社こそ最も意義のある事業だ。
「同社の設立は老達保の全村民にまずまずの収入をもたらしました。私たちラフ族は助け合いをとても重視しています。昔、狩りで生活を賄っていた時代、猟で捕れた獲物は全員で平等に分け合っていました。村民のためになることができて、とても誇りに思っています」と張さんは意気盛んに語る。
同社の設立前、張さんら村民たちは「交通が不便なのに、観光客がわざわざ來るだろうか?」と心配していた。瀾滄県政府はそんな村民の心配を知り、2012年に巨額を投じてアスファルトや石畳の道路を整備し、観光客が來やすいように環境整備を行った。同時に、政府はラフ族の文化観光を大々的に宣伝した。
現在、會社の仕事は軌道に乗り、獨力で経営できている。地方政府は必要なときに會社の研修のために一定の補助金を提供するだけでよい。村民が今のような幸せな生活を手にできたのは黨と政府の計畫と指導のおかげだと張さんは心から感謝している。
「私たちの使命はラフ族の伝統文化を完全に伝えていくことです」と張さんは話した。
「人民中國日本語版」2020年10月13日