人々は古くから、目で感知できる可視光によって月を見ることが多かった。中國のアインシュタインプローブ(EP)宇宙X天文臺は17日(中秋節)の午前に、宇宙から月のX線寫真を伝送した。X線バンドの変わった月を観賞できる。これらの畫像はEP衛星の「風行天」X線望遠鏡(FXT)によって得られたものであり、中國人科學者は初めて獨自に研究開発した宇宙望遠鏡によって完全な月のX線畫像を取得した。
今年の中秋節は、月が地球まで35萬7400キロに接近した。そのため月は一般的な満月より約14%大きく、しかもより明るく、「スーパームーン」になった。これは天文観測の好機だ。また今年は太陽活動のピークで、太陽フレアが頻繁に生じる。太陽フレアが発生すると、太陽のX線の放出量が激増し、エネルギースペクトルが硬くなり、月面のX線が強まる。
月面のイメージング観測に成功した衛星は、ドイツのROSATと米國のChandraの2基のみ。「風行天」は今回、中秋節という特別な日に満月のX線観測を行い、鮮明な月面X線畫像の伝送に成功し、別のアングルで月見の楽しさを共有した。軌道上を飛行中の海外のX線衛星と比べると、「風行天」はイメージングの視界が広く、「スーパームーン」を余す所なく観測できる。また「風行天」は高いX線エネルギー分解能と有効面積を持ち、酸素、鉄、マグネシウム、アルミニウム、ケイ素などの元素の月面における分布を明らかにできる。
EP衛星首席科學者である中國科學院國家天文臺の袁為民氏によると、EP衛星の中心的な科學目標は宇宙高エネルギー過渡天體の観測と研究だが、非常に優れたX線探査能力のためより多くの探査目標と応用の高い將來性を持つ。「風行天」が撮影したこれらの月面X線畫像は、月関連の科學研究の実施に対して重要な価値を持つ。
「中國網日本語版(チャイナネット)」2024年9月18日