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靜かな和室で蕓術品のような手の込んだ料理。紫色の著物姿の仲居が丁寧に料理を出し、窓の外には霧が立ち込めている。上海萬博の日本産業館にある料亭「紫 MURASAKI」は、1人3000元(約4萬1000円)の本格的な懐石料理を出しており、総支配人の柿沢一さんによると、5月と6月の予約はすでにいっぱいだという。
日本では料亭は私的な場所で、懐石料理は日本のトップレベルの料理の技と味を代表する。日本産業館前のにぎやかな小道を通り、産業館の片隅にある「紫 MURASAKI」の木の戸を引くと、外の喧騒とは明らかに違う世界が広がっていた。階段に立った2人の紫色の著物を著た仲居が「いらっしゃいませ」とあいさつし、上履きに履きかえて仲居の案內で木の床を通って奧の個室に向った。
個室は明るい色で統一され、長テーブルには8人が座ることが出來る。窓の外は竹で囲まれた庭で、澄んだ水の上には松の木が見える。そして庭の底から立ち上った霧は庭全體を包み、竹も松も霧の中で見え隠れする様子は、まるで溫泉の水蒸気を髣髴とさせる。
柿沢一さんによると、庭の底には小さいな噴水口があり、15分ごとに水蒸気が出るようになっており、料亭の5つの個室でこうした霧が広がる景色を楽しむことができるという。
「紫 MURASAKI」では、日本の懐石料理界で最高レベルの「菊乃井」「丹熊北店」「魚三樓」のトップレベルの料理人が腕を振るう。「こんな贅沢なグループは今回の上海萬博の184日間だけで、日本でも前例がない」と柿沢さん。
獻立は夏と秋の2種類。その季節で一番いい食材を使っている。適切な食材を探すために柿沢さんは1年前に上海にやって來た。料亭で使っている食材の4分の3は中國産で、牛肉はオーストラリア、魚介類は日本産と、世界各地からも食材を取り寄せている。
「中國網日本語版(チャイナネット)」 2010年5月6日
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