「水都」大阪の水との共生の智恵
大阪館の入り口
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自転車のエネルギーで汚水をクリーンな水に変える逆浸透膜による水処理技術
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大阪館に入ると、まず満開の桜の映像が流れる大きな「トンネル」を通り抜ける。桜が演出する関西の美しい春にうっとりする來館者たちは、この「トンネル」が実は日本で一番大規模な下水道である「なにわ大放水路」と同じ直徑の大きさであることに驚くだろう。大阪館では、すべての展示が「水」をめぐって展開され、「水都大阪」の水との共生の歴史や智恵、技術などをアピールする。
大阪館では、海水の淡水化技術、水源から蛇口までのおいしい水道水を作る技術、自転車のエネルギーで汚水をクリーンな水に変える逆浸透膜による水処理技術、斷水しなくても修理できる水道修理技術などを、寫真や映像、體験型展示などさまざまな工夫を凝らして來館者たちにアピールしている。
大阪館の永井隆裕館長は、「チャイナネット」の取材に応じた際、「こうした高度な浄水処理システムや水道技術に、中國の行政関連の方や企業の方が大変大きな興味を示している」とし、「私たちは、『環境先進都市?水都大阪の挑戦』というテーマで、環境や水の面での技術を中國や世界にアピール、貢獻していきたい」と話した。
また、今から丁度40年前にアジアで初の萬博を開催した大阪の発展の経験を活かし、上海やほかの中國の都市の発展について次のようにアドバイスをした。
「大阪萬博が開催された時は日本が一番高度成長していた時期で、萬博のおかげで成長が成長を呼び、技術が技術を呼ぶというような形で相乗効果が現れ、経済発展の基礎が築かれた。上海萬博でもこれほどの國がいろいろな技術や文化的な展示をしているので、同じような効果が生まれると思う。ただ、大阪萬博開催の際には日本や世界は余り気付いていなかったが、経済成長のマイナスの面、つまり公害問題や地球環境問題も現れ始めた。大阪は萬博開催の前後からそうした経験をし、大気汚染や水質汚濁などいろいろな公害問題が出てきた。そして、大阪は全國に先駆けて、有害物質等を規制する條例を制定し、産學官が協力して公害対策、環境問題対策の技術を磨き、世界でも先端をいくような環境技術に磨き上げた。上海も今、萬博を開催しており、時代は違うが、これだけ経済成長していればマイナス部分も出てくるはず。昔、日本も10%近い経済成長率で発展してきたが、持続的に、永久的に安定成長するためには、経済一辺倒ではなく、やはり自然を守り、水や自然、生活環境もよくしながら経済も良くしていかなければならない。
そして今、日本でも、環境保全が経済成長と対峙するという考え方ではなく、例えば、その代わりに、環境ビジネスというものが現に生まれている」というように、経済成長と環境保全をバランス良く持続させることが最も重要なことであると力説する。
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