2006年7月、上海のもっともにぎやかな南京西路に、一軒の「MUJI」の専売店がオープンした。店はたった700余平米しかなかったが、上海の、ちょっとお金のある人たちが続々とやってきた。
「MUJI」は、日本のブランドメーカーの「無印良品」が海外で登録した商標(biāo)である。南京西路の店は、「無印良品」が中國大陸部で開設(shè)した第一號の支店で、店內(nèi)は、日本の「MUJI」の店とまったく同じ、商品のラベルもすべて日本語で書かれている。
唯一、日本の「MUJI」と違うのは、日本では低価格、高品質(zhì)で名を馳せている「MUJI」が、中國では明らかに価格が安くはないというところだ。日本の物価はもともと中國より高いうえに、関稅がかけられているため、上海の「MUJI」の価格は、日本より高い。
「MUJI」でよく売れているニット類の100%、衣料品の70%は、中國でつくられている。とはいえ、中國の普通の消費者はなかなか手がでないのだ。しかし、時代の流行を追う若者たちの、「MUJI」が好きだという気持ちに影響がない。彼らは「MUJI」に行って文房具や食器などの割と安い商品を買う。あるいは何も買わないで、ただ寫真を撮るだけの若者もいる。それをネット上に貼り付けて、友だちと喜びを分かち合うのだ。
「MUJI」の簡潔で自然な、環(huán)境に優(yōu)しいデザインがすごく気に入られている。「MUJI」ファンの若者にとっては、ここで売られているものは、単なる商品ではなく、一種の生活のスタイルであるという。中國の大都市の贅沢な風(fēng)潮の中で、「MUJI」は新鮮な美感を人々にもたらしたのだ。
「MUJI」のほかにも、さまざまな日本料理店の精巧な食器、さりげない飾りつけ、あっさりとした味付け、色鮮やかな料理は、いつも日本式の美感と禪の境地を伝え、人々の美的感覚に影響を及ぼしている。
「人民中國」より 2007年8月30日