76歳の歌舞伎の名優(yōu)坂田藤十郎が率いる「近松座」が4日と5日夜、北京の保利劇場で「傾城反魂香」と「英執(zhí)著獅子」の2演目を上演した。その華麗な衣裝、繊細(xì)な感情、優(yōu)雅な舞踴で中國の観客を魅了させた。
「傾城返魂香」は近松門左衛(wèi)門の名作の一つで、夫婦の愛情の深さを表す作品である。坂田藤十郎は妻の徳さんを演じ、長男の翫雀が又平を演じるが、15列目にすわって、オペラグラスを持って観劇していた馬さん(女性)が、「とても素晴らしかった。徳さんが又平の著物を引いて、『どうしてどもるだろう』と言う時(shí)、私は涙をこらえていた。又平の絵筆が石を貫いて、やっと土佐の名を賜ってもらったとき、そのいきいきとした舞踴に心から感動した」と語った。
後半の「英執(zhí)著獅子」では、坂田藤十郎はそれぞれ姫の役と獅子の役を演じ、姫の優(yōu)雅さと獅子の奔放さを舞踴でよく表現(xiàn)し、舞臺の上にいるのが76歳のお年寄りであることを忘れさせた。
観客の多くは日本に行ったことがあり、或いは日系企業(yè)に勤務(wù)している人たち。中日文化には似ているところが多いので、歌舞伎を理解することは難しくない、と彼らは考えている。北京のサラリーマンの尹俊生さんは、「舞臺にはぼたんの花、ちょうちょうや漢詩の掛け軸があるし、セリフには王羲之、樊噲、張良も現(xiàn)れた。「英執(zhí)著獅子」はそもそも山西省清涼山の石橋の伝説に由來している。このように中國の伝統(tǒng)文化と関係があるので、とても親近感があった」と語っている。
中國人大學(xué)生の一人は、「日本の歌舞伎がこんなに繊細(xì)に物事を表現(xiàn)するものだとは思っていなかった。最初はきっと理解できないかもしれないと思ったが、それを見終わると、坂田藤十郎の深い造詣と表現(xiàn)力に感心した。そして、中國の戯曲と同工異曲の妙があると思うので、中國の戯曲も好きになった。」という感想を語った。
「チャイナネット」2007年9月7日