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墜琴(ついきん)  
 
弦を引く民間楽器であり、墜子、墜弦とも呼ばれ、河南省地方の寄席演蕓である墜子講談の主な伴奏楽器である。墜琴は清(1616-1911)の末期の鶯歌柳書(語ったり歌ったりする演蕓)のために伴奏した楽器の小三弦を改良し、発展させてきたものである。その共鳴箱は三弦(3本の弦があるもの)のそれに似ているが、やや小さく、共鳴箱の表面に張ったウワバミの皮を桐の木板に変え、琴の棹は三弦の指板を殘しており、馬のしっぽの長い毛を張った弓で引いて演奏し、弦を引く楽器となった。その音色は厚みがあり、落ち著きがある。現在、墜琴は主に河南省北部、山東省南部、河北省南部にはやっており、特に河南省ではさかんである。もう一種の墜琴は墜胡または二弦と呼ばれ、琴の共鳴箱は二胡(胡弓の一種)のそれに似ているが、いくらか長く、片面にヘビの皮を張り、琴の棹は三弦の指板を取り入れることになった。音色は高らかで美しい。これは河南省の伝統演劇の音楽の曲子という小唄と山東琴書(語ったり歌ったりする演蕓)、呂劇(山東省の地方芝居)などの主な伴奏楽器であり、現在、主に河南省、山東省一帯ではやっている。墜琴は寄席演蕓、伝統演劇の伴奏に用いるほか、合奏と獨奏にも適している。

伝統的な墜琴の演奏様式の多くは自分で琴を引きながら歌うものであり、演奏の際に、墜琴をふとももの上に置き、左手で琴の棹を支えながら弦を押さえ、右手で弓を持って弦を引いて演奏する。木製の梆子(拍子木)を足の前にある棚の上に結び付け、拍子木を叩く槌のような棒の一端も棚の上に結び付け(棒は動ける)、棒のいま一端と俳優の片足とをヒモでつなぎ、俳優が自分で弦を引きながら歌う時、足がリズミカルに動き、それによってヒモを引っ張って棒が拍子木にぶつかるようにするわけである。

墜琴演奏の主な技法は右手の技法と左手の技法に分かれ、右手で弓を引く技法は長弓(柔かい弓と硬い弓の2種に分かれる)、半弓、短弓、連弓、斷弓、頓弓、抖弓、顫動弓、砕弓、甩弓、雙弦などをよく使い、左手で引く特徴は墜琴の棹が長く、指板があり、手の動く範囲が大きい上に頻繁であるなので、ボルタメント、特に大きく跳ねるボルタメント、ダブル?ボルタメントなどの使用において非常に特色があり、同時に雙弦、揉弦、顫動音、撥弦、倍音などもよく使う技法でもある。

 

 

 「中國網日本語版(チャイナネット)」 2014年3月26日