見(jiàn)どころ

何と言っても見(jiàn)事なまでに適材適所の配役は、さすがは張蕓謀、目のつけどころがいい。初め、ジェイ?チョウが出演と聞いた時(shí)は耳を疑ったが、出來(lái)上がった作品を見(jiàn)たら、どうしてどうしてなかなかの好演で、これは來(lái)日したジェイ自身も認(rèn)めているように、母一人子一人で育った普段の彼を反映した役だったからだろう。2年前『頭文字D』の宣伝で來(lái)日した時(shí)、何億という年収を何に使っているのかと聞かれて、「お金を管理しているのは全部母ですから」と答えたジェイの言葉を通訳しつつ、こんな息子が欲しいと心から思った私は、今回、愚かな母の愚行を咎めもせず、母のために殉じていく彼の臺(tái)詞にしみじみと感動(dòng)、またもや、こんな息子が欲しいと感嘆したのだった。まあ、いくらなんでも、さすがに私はこんな風(fēng)に息子を追いつめることだけはしないと思うけど。

同じく、何とも情けなく、うじうじした、気概のかけらもない皇太子を演じた劉燁にも笑わせてもらった。『プロミス(無(wú)極)』と比べると、劉燁の使い方にも張蕓謀に一日の長(zhǎng)があると認(rèn)めざるを得ない。劉燁には是非、今後は二枚目路線への未練はきっぱり捨てさり、性格俳優(yōu)の道を歩んで欲しいものだ。チョウ?ユンファとコン?リーのプロに徹した余裕綽々の演技も楽しい。

最後の宦官たちの歌唱シーンはまるで、張蕓謀監(jiān)督演出のオペラ『トゥーランドット』を見(jiàn)ているようで、北京オリンピック開(kāi)幕式の予習(xí)として、この映畫を見(jiàn)るのも一興かもしれない。エンディングテーマ曲『菊花臺(tái)』を自作自演しているジェイ?チョウは、北京オリンピックのテーマソングの公募にもエントリーしているとのことである。（筆者：水野衛(wèi)子）

「人民中國(guó)」より　2009年8月27日