2010年から中國環境保護部は「製薬工業水汚染物質排出基準」を発表している。新しい基準では、主な指標はアメリカの基準よりも厳しく設定されている。発酵関係企業のCOD、BOと総シアン化物排出要求はもっとも厳格なEU基準とほぼ同じで、環境保護要領よりも2倍厳しくなっている。原薬は化學薬品の生産で排出される汚染、エネルギー消費が大きいので、環境保護部門も継続的に汚染管理のターゲットとしている。
「おそらくほとんどの製薬工場はこの基準を満足しないだろう。この基準以前、上海の原薬は中國全土で最強の実力を持っていたが、この基準が発表されてから上海はすでに全ラインの原薬生産から撤退することを選択した。」これは、上海製薬企業のマネージャーが漏らした言葉だ。上海市の管理は全國でも極めて厳格で、新基準に基づいて管理を行うと、ほとんどの製薬工場は全く基準に屆かないことが容易に予想される。このため上海では原薬の生産を放棄することにしたのだ。
また、これと同時に各地の地方政府の環境保護監督力はまちまちで、増加する一方の原薬企業は徐々に安徽省、江西省などの中西部の地域へ移動が始まっている。これらの地域ではすでに汚染が非常に重大な問題となっている。
「中國網日本語版(チャイナネット)」2011年6月15日