陝西省南部の3つの市で5月、住民移転が始まり、中國で史上最大規模の住民移転プロジェクトが正式にスタートした。
向こう10年で、陝西省は陝南泰巴區と陝北白于山區の住民279萬2000人を移転させる計畫だ。この數は三峽ダム建設時の2倍に上る。
急務となっている住民の移転
統計によると、陝西省の地質災害が起きやすい危険地域は全國土面積の49%を占める。同省の地質災害が起きやすい23の地域に、9300カ所以上の災害が起きやすい危険スポットがある。
2010年に発生した大規模な洪水で、同省の住民559萬人が被災し、死者?行方不明者は300人に達した。
安康市白魚河村の支部書記の張慈栄さんは、2000年から10年にわたって村を守ってきた。増水期に雨が降ると、張慈栄さんは外に出て、「家から出て!中にいてはいけない。建物が崩れたら人は終わりだ」と、一軒一軒回って聲を張り上げる。
白于山區は陝西省の3大貧困地域の一つで、陝北の楡林市と延安市にまたがり、農業人口は80萬2000人に上る。白于山が南方からの溫暖気流を遮るため、この地域は雨が少なく、干ばつが起きる。さらに、大量のアルカリ成分などを含む地下水は渋く、長期間飲み続けると人體に影響を及ぼす。
住民の移転は急務となっている。