段非平＝文 

　水は生存の基であり、文明の源である。ここ數(shù)年、中國は數(shù)多くの「清流防衛(wèi)戦」を展開し、かつての化學(xué)工場(chǎng)に取り囲まれ、泥と砂が流れ、汚水が流れていた河川は、今ではさらさらと水が流れ青く輝く清流となった。　 

　病み傷ついた河川の「処方箋」 

　大きな頭部に小さな目、少し上がった口角――江蘇省南京市にある江心洲長(zhǎng)江大橋の近くでは、市民が「ほほえみの天使」と呼ぶスナメリが水遊びをする光景がよく見られる。絶滅の危機(jī)にさらされたスナメリが、こうして頻繁に長(zhǎng)江に姿を現(xiàn)すその裏には、多くの努力があった。  

　中國を橫斷する長(zhǎng)江は全長(zhǎng)６３００?余りの大河で、中華民族の「ゆりかご」となっている。長(zhǎng)江経済ベルトは11の省?市をカバーし、その人口規(guī)模と総合的な経済力は中國の「國土の半分」を占める。しかし、経済が高度成長(zhǎng)すると同時(shí)に、長(zhǎng)江沿岸の生態(tài)環(huán)境も深刻な被害に直面した。 

　「長(zhǎng)江は病んでいる。それも軽くない」。16年に開かれた「長(zhǎng)江経済ベルトの発展を推進(jìn)する座談會(huì)」で、習(xí)近平総書記は心を痛めてこう述べた。そこで、長(zhǎng)江の「病気」を治すため、一連の「生態(tài)保護(hù)堅(jiān)塁攻略戦」が沿岸の各都市で始まった。◇長(zhǎng)江上流で最大の中洲である重慶広陽島では、生態(tài)修復(fù)と環(huán)境整備の面積が３００萬平方?を超えた◇三峽ダム區(qū)の湖北秭帰しき港岸壁は、「クリーン陸上電力」によって、ディーゼルエンジンのごう音と停泊船の油煙が四方に拡散する光景に別れを告げた◇長(zhǎng)江本流沿岸の全ての岸壁で船舶ごみ収集施設(shè)の設(shè)置を?qū)g現(xiàn)した◇21年１月１日午前０時(shí)から、長(zhǎng)江流域の重點(diǎn)水域で「10年間の禁漁」が実施された――その結(jié)果、23年、長(zhǎng)江経済ベルトでの優(yōu)良水質(zhì)の割合は94％に達(dá)し、生態(tài)システムが明らかに好転し、美しい長(zhǎng)江が戻った。 

　生態(tài)システムの退化、深刻な水と土壌の流失、河口濕地の衰退……中華民族の母なる川?黃河も、かつては「病弱」だった。黃河流域における生態(tài)保護(hù)と質(zhì)の高い発展は19年、重要な國家戦略となり、水源の維持能力の向上、水と土壌保全能力の強(qiáng)化、濕地生態(tài)系の保護(hù)など一連の措置により、黃河は次第に新たな姿を表していった。 

　「子どもの頃は、黃河で水をくんだら、半分は砂でした。今、黃河は峽谷の中に『漂う』緑の帯のように、ますます清らかになりました」と、黃河沿いの陝西省楡林市の高西溝村に住む王諾さんは感慨深く語った。 

　経済発展の中で清流を守る 

　水質(zhì)汚染の源は陸上にある。水質(zhì)環(huán)境を改善するには、生産方式とライフスタイルの転換が鍵となる。 

　敖ごう江は、福建省古田県の鷲峰山脈に源を発する。敖江の上流に位置する古田県鶴塘鎮(zhèn)は、豊富な花崗巖資源によって石材産業(yè)を発展させてきた。だが、土ぼこりが舞う採石場(chǎng)の影響で、敖江は一時(shí)期、深刻な汚染のため川が牛乳のように白濁する「牛乳江」になった。 

　経済発展と水資源保全のどちらかで、古田県は後者を選んだ。古田県では、16年から連続して４億元を投じて石材産業(yè)の整備に取り組んできた。流域內(nèi)の１０２カ所の鉱山を閉鎖しただけでなく、企業(yè)の生産品目の変更と産業(yè)のモデルチェンジを積極的に促し、現(xiàn)代農(nóng)業(yè)やエコツーリズム、サービス?飲食など一連の代替産業(yè)を育成した。こうした総合的な整備（３）により、敖江（古田區(qū)間）の主要流域の優(yōu)良水質(zhì)率は１００％に達(dá)している。　 

　多くの沿岸住民も水質(zhì)環(huán)境の改善で暮らしが変わった。湖南省瀏陽市の蓮花通り街道弁事処（町會(huì)事務(wù)所）では12年２月、25人の漁師と契約を結(jié)び、かつて魚を捕っていた漁師の手は招聘狀を受け取り、今では魚を守る手に変わった。 

　漁業(yè)資源や水質(zhì)環(huán)境を保護(hù)するため、瀏陽市では同市の瀏陽川などの重點(diǎn)水域を指定して禁漁を?qū)g施し、禁漁巡視?保護(hù)チームを組織した。漁師から禁漁の巡視?保護(hù)員に「転業(yè)」した羅世桃さん（59）は、小さい頃から漁船の上で育ち、川筋や水域に詳しい「生きた地図」だ。「経験豊富なベテラン漁師に巡視?保護(hù)員になってもらうことは、生態(tài)的な効果?利益と社會(huì)的な効果?利益を結(jié)びつけることで、一挙両得の効果を発揮することができます」と蓮花通り農(nóng)業(yè)農(nóng)村事務(wù)室の葉建主任は言う。 

　水質(zhì)環(huán)境の改善には時(shí)間がかかるので、長(zhǎng)期的かつ効果的なメカニズムを構(gòu)築しなければならない。２０１２年以降、エコ文明建設(shè)の評(píng)価?考課制度と責(zé)任追及制度が次々と確立され、「河長(zhǎng)制度」（河川保護(hù)責(zé)任者制度）をはじめとする一連の制度刷新も中國各地で推進(jìn)されている。　 

　張林堂さん（53）は天津市浜海新區(qū)新河の街道弁事処の主任で、管轄區(qū)域の河川の「総河長(zhǎng)」でもある。張さんのノートには、域內(nèi)の大小河川の狀況がびっしりと記されている。 

　昨年夏、水草の過度の成長(zhǎng)で水中の酸素が不足し、一部の川に魚が死んで浮かぶということがあった。そこで張主任は直ちに対策グループを立ち上げ、水草と死んだ魚を回収した。この間、回収船は１８６回出動(dòng)し、回収物の総重量は６４０?に達(dá)した。２カ月の奮闘を経て、川の水は再び青く光る水面を取り戻した。18年６月末までで、中國は31の省?自治區(qū)?直轄市で河長(zhǎng)制が導(dǎo)入され、各地が共同で清流を守っている。 

　長(zhǎng)年の努力を経て、中國の「水機(jī)能區(qū)」（水資源の保護(hù)と最適な利用を保障するエリア）における水質(zhì)基準(zhǔn)の達(dá)成率は、12年の63?５％から22年の95?６％に向上した。一連の「清流防衛(wèi)戦」は、靜かに流れる清らかな河川を人々にもたらし、後世へと伝えていく。 

　「人民中國インターネット版」2024年5月14日