いつの間にか中國で流行語になった?低炭素?という言葉。新聞やテレビ、インターネットといったあらゆる場所で取り上げられ、?1キロワットの電気を節約すると、石炭400グラムと水4リットルが節約でき、二酸化炭素の排出量も30グラム削減できる?と、人々の生活も炭素によって計算されるようになった。普通の人たちにとってこれは、環境保護の意識が強化されるというよりは、今流行っている?おしゃれな?言葉といったほうがいいかもしれない。
日中環境協力支援センター取締役の大野木昇司さんは、中國のこの新しい社會の風潮には、今後の環境保護への望みが感じられると話す。
京都大學環境學科を卒業し、北京大學環境學院で修士號を取った大野木さんは、ずっと中國で環境に関わる仕事をしてきた。改革開放が始まって30年以上になる中國だが、環境保護に対する中國の人たちの考えはまだ遅れていると大野木さんは言う。「普通の人たちは環境という言葉を実感することができません。環境の意識がない人たちに、環境の大切さを知ってもらうことが環境保護では大切で、それが一番難しい。そのため低炭素社會をよく理解してもらうために、中國が普通の人たちに大いにPRするのは非常にいいことだと思います」
しかし環境保護には行動がともなわなければならない。もし?低炭素?という言葉がライフスタイルを変える方法として定著せず、ただ一時的な?おしゃれ?な言葉として終わるのであれば、今までの努力はすべてムダになる。?この言葉を人々のライフスタイルとして転換していくのも大きな課題?と大野木さんは指摘する。