毎年、長春で行われているこの博覧會に関していえば、近年、中國の中央政府と地方政府がいずれもますますこれを重視するようになってきたと感じます。今回の博覧會は、出展者?來訪者の數が過去最高となり、中國側の指導者のレベルも上がり、期待も高くなっています。日本は國際金融危機の影響で、経済の停滯が続いていますが、それでもこの地域に対する関心が徐々に高まっていることを実感しています。今回も多數の企業が出展し、來訪した関係者もこれまで以上に増えていると聞いています。
――中國の東北地方に進出した日本企業の多くが大連に集中している理由について
當初、日本企業の対中進出は製造拠點をコストの安い中國に移転することにより、そこで生産された製品を輸出し競爭力を維持することに主眼がありました。このため日本企業の投資はこれまで広東省を中心とする珠江デルタや上海を中心とする揚子江デルタ及び北京を中心とする渤海エリアなど中國の沿岸部に集中していました。大連は沿海都市であり日本とっても親近感があり、重要な港灣都市であるため、交通の便や距離の面でのメリットなどから多くの日本企業が投資しています。一方、今後は中國國內マーケットがより重要になってくると思います。製品を輸出するだけでなく、國內市場へ供給する形の対中投資案件が増えてきています。このため、今後はより中國市場にアクセスしやすい場所に投資が移行していくことが予想されます。大連は引き続き重要な地位を占めるでしょうが、交通インフラなど関連施設が整備されるにつれて、瀋陽、長春、ハルビンなどが一層注目されるでしょう。
――総領事が見た中國の変化について
中國の変化は10年ごとにレベルアップしているという特徴があります。私は1977年に外務省の研修生として上海に來ました。それから1987年及び1997年に北京の大使館で勤務し、今回2008年に瀋陽総領事として著任しました。まさに、ほぼ10年に一度、中國に駐在してその変化を見てきたわけですが、最初の10年は改革開放の初期段階で、香港や在外華僑及び周辺諸國との関係を重視し、そのあとの10年はより広く西側諸國との交流を強化し、2000年以降は國際社會に大きな影響力をもつようになりました。この過程で重要だったのは90年代半ばの國有企業?金融システムの改革、2001年のWTO加盟です。これらを通じて中國が國際社會の責任ある一員としての地位を確立していったと思います。
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