財団法人機械産業記念事業財団の福川伸次會長は、中國社會科學院日本研究所と全國日本経済學會が共催した「中日経済協力の回顧と新たな地平」國際シンポジウムで基調講演を行い、?日本から中國への一方的な経済援助の時代は終わりを告げ、今はビジネスベースの相互協力へと移り変わりつつある?と語った。
福川會長は70年代末以降の中日の経済交流について?1972年の國交正常化以降、日中関係には一時期、不安定な時もあったが、経済、文化、人的往來などは飛躍的に拡大した。日中貿易は73年の20億ドルから09年の2700億ドルに増え、中國にとって日本は第三の貿易國、中國は日本にとって最大の貿易國になった。また実行ベース対中投資の累計額は08年末の時點で654億5000萬ドルに達し、人的往來も80年の18萬7000人から08年には465萬人に増加した?と説明。そして両國の將來については?日中関係が新しい次元に移行するにつれ、両國間の貿易や投資、人的交流は拡大するだろう?と非常に楽観的な見方を示した。
1979年12月に訪中した大平正芳元首相は、中國のインフラ整備促進のために円借款の提供を表明したが、その全體的な規模は一體どのようなものだったのだろうか。
1980年4月に円借款契約の調印が行われから2007年度までに供與された額は合わせて3兆3165億円。福川會長が「中國に対する経済支援は、中國経済の基盤整備に貢獻した?と話すように、初期支援の重點分野は鉄道や港灣整備、都市部下水道、ガス供給、通信事業などのインフラ整備で、有償、無償、技術協力といった方法で実施された。
活発化する民間の経済交流について福川會長は、?政府間の経済支援に支えられ、民間の経済交流は著実に拡大し、貿易の拡大と平行して、投資や技術交流も活発化している。日本企業がどんどん中國市場に進出することで中國経済も高度化し、両國の相互依存はウィンウィンの関係になった。特に2008年5月に胡錦濤國家主席が訪日し、省エネや環境分野の協力、中國の地域発展への協力、企業間協力の強化、地域とグローバル経済での協力を日本の経済界に呼びかけ、これをきっかけに日中民間企業の交流の気運が一挙に高まった?と述べ、今後の両國経済協力の方向に関しては以下のように語った。
?中國企業も日本への進出の歩調を速めている。日本から中國への一方的な経済支援の時代は終わりを告げ、ビジネスベースの相互協力へと時代は移り変わりつつあるようだ?
?中國網日本語版(チャイナネット)?2010年3月24日