麻薬密輸罪で死刑判決が確定していた日本人の赤野光信死刑囚(66歳)の死刑が6日午前、中國遼寧省の省都大連市で執行された。中國での日本人に対する死刑執行は、1972年の中日國交正常化以來初めて。そのため、日本國內では「刑罰が重いではないか」「刑事手続きが適正なものであったのか」という疑念と、「日本の國民感情が損われるるのではないか」という懸念の聲が聞こえる。これについて、「チャイナネット」は中國社會科學院日本研究所の高洪副所長と外交學院の周永生教授にインタビューした。
赤野光信死刑囚
刑罰は重いのか?
産経新聞によると、千葉景子法相も同日午前の記者會見で「日本の制度と比較すると、かなり刑罰が重く、刑事手続きも日本ほどの適正な手続きが擔保されているのかという意見がある」と疑問をはさんだ。これに対して、高副所長は「そういう言い方は妥當とは思えない」という見解を述べた。
まずは刑罰の重さだが、高洪副所長は「これは中國で実行された犯罪行為で、中國の公安部門に逮捕され、法律に基づいて判決が言い渡されたケースだ。中國はこのような越境犯罪を処罰する際には國內法を適用している。安全を維持し、他國の國民を含む各國國民の利益を効果的に保護するためには、悪質な犯罪事件を厳しく取り締まるような刑罰を考える」と指摘した上で、「これは中國特有の事情ではない。韓國、タイ、シンガポールでも麻薬密輸の犯罪者を処罰する際はすべて死刑を言い渡している」と他の國の事情と比較しながら指摘した。
また外交學院の周永生教授によると、刑罰の重さは比較的に言うもので、刑法についてもみるならアラブ諸國は中國より重いが、歐米の先進國に比べれば、中國の刑法は重いほうだ。ヨーロッパの多くの國では死刑が廃止されている。日本や米國では死刑はまだ廃止されていないが、その判決と執行は少なくなっている。それに比べれば、中國では死刑の判決がまだ多いほうだ。特に麻薬密輸の面では厳しく、50グラム以上密輸すれば死刑が言い渡される。赤野光信死刑囚は約2.5キロを日本に密輸しようとして逮捕されたのだ。「どの國の法律もそれなりの特色を持っているため、中國を責める必要はない」と周教授は述べた。