1950年に発足し今年で60周年を迎えた日中友好協會は、中日関係を推進する上で重要な役割を果たしてきた。今回「チャイナネット」は、日中友好協會の機関紙「日本と中國」の垂水健一編集長と編集者の森正哲央さんに、機関紙の昔と今について話しをうかがった。
今も代わらない會員への呼びかけ
機関紙「日本と中國」は1950年2月に創刊された。この60年間にこの機関紙が果たした役割について垂水健一編集長は「協會が取り組もうとしている活動方針や事業內容を會員に伝えてきたことです。會員からは様々な反響がありますが、それを紹介することで、活動の內容を充実させてきました。一方で、會員以外の方々に機関紙が目に觸れることもあるので、そのような人たちには、協會の活動內容が理解されたのではないでしょうか」と話す。しかし機関紙としての悩みもある。「広く一般の人たちに協會の活動を伝えられればいいのですが、機関紙という性格上、會員以外の購読者が少ないというのは、『日本と中國』の大きなネックといえるでしょう」
両國間では今、両國指導者の相互訪問や中日ハイレベル経済対話、両國政黨間の交流、青少年の交流など、次第に様々なレベルの交流メカニズムが構築されているが、今後の「日本と中國」の役割について垂水編集長は「日中友好協會としては、民間の交流、とりわけ日本の地方都市と中國の地方との交流に力を入れ、政府や官公庁ができないような交流を盛んにしていきたいと考えています。しかし『日本と中國』が果たす役割は、こうした方針を會員に呼びかけることに重點を置いているため、機関紙として分かりやすく読みよい新聞を目指すことが重要で、特に協會の外に向かって働きかけるような展望はあまり考えていません」と語る。
読者層の高齢化
「日本と中國」の読者は、昔と今でどんな違いがあるのだろうか。森正哲央さんによると、読者は全國各都道府県の協會會員をはじめ、中國に関心の深い各界各層の人々が中心で、そのほかにも中國訪問経験者、中國留學経験者、留學生、各大學の中國関係學部學科教授?學生、中國語學習者などが多いという。しかし協會會員の高齢化にともない、読者層の年齢は上がっているそうだ。
そのため中日友好の將來を擔う若い人たちにも、新聞を発行するだけでなくネットにもニュースを掲載するなどして、関心を持ってもらうよう努めている。
最も感動したのは四川大地震の時
若い森正さんは様々な中日交流のイベントに參加する機會があるが、その中で一番感動的だったのが、四川大地震の募金活動だという。「四川大地震が発生してから、全國各地の協會は中國人留學生たちと協力して募金活動を始め、義援金を中國に送ったことは今でも非常に印象に殘っています。募金には普段、中國に関心がない人も含めて、大勢の日本人が協力してくれたようです」
「中國網日本語版(チャイナネット)」 2010年10月15日