菅直人首相の退陣を間近に控え、誰が日本の次期首相になるか徐々にはっきりしてきた。與黨?民主黨內では、次期首相の競爭が白熱化しているが、野田佳彥財務相の勝算が大きいという聲が多い。
本來なら、人気の高い前原誠司前外相あたりがなりそうだが、首相指名選挙には出馬しないとの意向を示した。前原氏が參戦しないとなると、野田氏の優位は明らかだ。
防衛と財務に詳しい野田氏だが、現在、日本経済は今年の大地震の影響に加え、米歐の債務危機拡散により、日本経済振興が政府の重要課題となっている。その點、野田氏は財務分野の知識と長年の実踐経験をもつ。首相の座をめぐる爭いで野田氏はすでに優位に立っている。
民主黨內部で野田氏をリーダーとする野田派は30人近くおり、中立派に屬し、他の実力者との目立った衝突は特にない。民主黨內最大の小沢派を率いる小沢一郎氏はかつて「常識が通じる人なら誰でもいい」と表明。野田氏と前原氏の関係も悪くなく、同じ「松下政経塾」の出身で、野田氏は前原氏の先輩にあたる。そのため野田氏は今回の黨內の爭いで最も競爭力があるといえるだろう。
與黨と野黨との関係も、次期首相爭いの重點となる。それは多くの法案の通過に絡んでおり、與黨と野黨の関係がこじれ、対立したままだと、日本社會の正常な運営に影響してくる。現在の菅首相は野黨との関係でずっともつれており、國民もこれに不満を抱いている。一方、野田氏の主張は最大與黨の自民黨にわりと近く、その點、今後國會で彼の主張を通すのに有利となる。