文=コラムニスト?陳言
「野田佳彥氏、民主黨新代表に選出」――。8月29日、テレビでこのニュースが伝えられると、日本人の多くが意外に思った。
筆者が接觸した日本政府のどの高官も野田氏を褒めた。民主黨、特に菅直人氏は官僚システムをまったく信用していないが、野田氏は閣僚の中でも官僚と良い関係を維持している人物だ。
「民主黨はタクシーの運転手と乗客の関係をわかっていない。政治主導といえば、何でも自ら操作しようとし、運転手を後ろに座らせ、自らタクシーを運転する。結果、交通事故が起き、すぐに目的地に到達できず、すべて手遅れとなってしまう」。日本の評論家、堺屋太一氏はこのように民主黨政権を評価する。しかし野田氏はわりとうまく官僚をつかい、円高などの財政問題処理において破綻しなかった。
「日本の最大の危機は財政危機」――。野田氏は9月號の月刊「文言春秋」にこう書き、財政問題を解決する方法は増稅だが、増稅は有権者が反対すると言及した。他の候補者が問題を回避しても、野田氏だけは一貫して稅収増加を訴えた。「このことが卻って野田氏はわりとまじめで、本當のことを言うというイメージにつながった」とジャーナリストの蜷川真夫氏は「中國新聞週刊」に語った。
また、日本の國民は中國の発展に適応していない。日本のメディアは長年中國脅威論を宣伝し、野田氏は日本周辺國に対して他の政治家よりも強硬な態度を示していた。