イスラエル大使館はこのほど、東京の各公立図書館に300冊のアンネの日記を寄贈することを決定した。これは各図書館で、アンネの日記などユダヤ人大虐殺の歴史を反映した書籍が破られたためだ。
日本メディアの報道によると、25日までに東京都內の38の公立図書館で、約300冊のアンネの日記と関連書籍が人為的に破られていたことが確認された。警察はアンネの日記に手をかけた犯人を捜査中だ。
警視庁は器物損壊として捜査を進めているが、事件の背後には露骨な極右、排他、ユダヤ人差別の勢力があるのではと懸念されている。アンネの日記はナチスの罪とユダヤ人の苦難を記した資料で、ユネスコの世界記憶遺産に登録されている。米ロサンゼルスに本部を置くユダヤ系人権団體「サイモン? ウィーゼンタール?センター」は、ホロコーストの歴史を侮辱するものであると批判し、日本側に犯人を捕まえるよう促した。
同センターはナチスの殘黨および反ユダヤ主義の言行を追及し、國內外で名を知られている。アンネの日記が破られた事件は、同センターと日本のホロコースト否定勢力との間で20年前に繰り広げられた論戦を想起させる。
1995年1月、日本の保守色の強い文藝春秋の刊行物『マルコポーロ』は、內科醫の西岡昌紀のホロコーストを否定する記事を掲載した。西岡は記事の中で、ナチスのガス室は存在せず、ホロコーストはフィクションだと言ってのけた。同記事を掲載した雑誌が発売されると、同センターを中心とするユダヤ系人権団體は真っ先に文藝春秋に強く抗議した?!亥蕙毳偿荸`ロ』編集部と文藝春秋は反論を予定していたが、同センターは日本を含む世界の企業に文藝春秋のすべての刊行物に広告出稿をボイコットするよう呼びかけた。文藝春秋はこの影響を受け広告収入を失い、経営困難に陥った。