文=林國本
全人代と全國政協の閉幕により、中國はいよいよ次なる目標に向かって本格的に前進することになった。今回の全人代と全國政協を見ていて、個人的な視點ではあるが、ずいぶんオープンになったなあ、と感じている。とにかく、次から次にと記者會見、新聞発表が行われ、すべての課題について政府関係者や代表、委員がフランクにすべての質問に答え、國民にすべてを知らせ、世界に発信し、この30年の発展を踏まえた自信というものを感じさせるものがあった。
まず、今後のGDP の伸びをみずからすすんで7.5%と設定したことは、世界じゅうに注目されているが、「一歩下がって二歩前進」という表現があるように、これまでの資源多消費型の量的拡大よりも質を重視する発展へと自らかじを切ったことは大いに評価されるべきことである。現在の経済の規模から見て、年間7.5%ずつ伸びつづけていくなら、第12次五ヵ年計畫の終了時には、たいへんな規模になっていることだろう。
さらに、経済発展の成果を國民に享受してもらうことも明言されており、徐々にではあるが、実現の段階に入りつつある。また、格差の存在をも認め、その是正に取り組み始めている。
そして、ヨッロパーにおける債務危機やその他の世界経済の不確実性と、それにより中國経済の下ブレの懸念が存在することもありのままに國民に知ってもらい、その中で著実に発展を目指すことが打ち出されている。
私は一市民として、國民にすべてを知らせるやり方に深い感銘を覚えている。一例をあげると、景気の動向、インフレの懸念について、すべて國民に知らせ、具體的な措置を取っていることなどは、近代化における大きな前進だと言ってもよい。
中國は発展途上の國であり、まだ乗り越えなければならない課題があることも確かだ。
例えば、一部の地域では農作物が豊作でありながら、市場ニーズとのミスマッチで売れ殘り、農民を悩まさせていることも、すぐメディアで取り上げ、広大な中國のマーケットを掘り起こすことによって、一挙にそれを解決したケースもある。
発展途上でぶつかった問題についてもオープンに國民に知らせることは、政府の自信の現れであるし、また、それが最善の解決の途と言える。
閉幕してから冷靜に考えてみると、中國を今世紀の中葉頃に発達國の仲間入りをさせるには、まだまだ乗り越えなければならないハードルが存在することも感じている。しかし、もうここまで來た以上、ただひたすら前進することのみであると思っている。
?中國網日本語版(チャイナネット)? 2012年3月17日