日本メディアによると、日本の2015年版防衛白書の概要が7月1日に明らかとなった。例年と同様、日本に対する隣國の「脅威」を誇張し、日本の安全保障環境が「一層厳しさを増している」とする內容となっている。さらに日本が、中國に近い與那國島に沿岸監視部隊を配備し、海軍陸戦隊のような「水陸機動団」などの攻撃的軍事力の設立をはかっていることについて、説明と擁護を行っている。(文:張軍社?海軍軍事學術研究所研究員)
「中國の脅威」をあおることは、日本の防衛白書の「見どころ」の一つであり、今回も例外ではない。もちろんこれには數々の問題がある。
第一に、事実を顧みていない。日本メディアの報道によると、今年の白書は、中國が南中國海で「急速かつ大規模な埋め立て活動を強行」していることに「強い懸念」を示し、周辺國家に対して「高圧的とも言える対応を継続している」と中國を非難している。日本のこうした非難は、歴史や法理、事実を無視するものである上、他國が仲違いするようけしかける意味もある。周知の通り、中國の南中國海における主権とその他の権利の主張は、長期の歴史的な経緯によって形成され、歴代の中國政府が長期にわたって堅持してきたものであり、十分な歴史的?法理的根拠を持っている。南沙諸島の一部の駐屯島嶼における中國の建設活動は中國側の主権範囲の事柄であり、法?理?情のいずれにもかなったもので、いかなる國にも影響せず、いかなる國を標的としたものでもない。中國側の建設活動の規模と速度は、中國が南中國海において負っている海上捜索救助?防災減災?気象観測?生態環境保護?航行安全?漁業生産サービスなどの國際的な責任と義務と釣り合いの取れたものである。
第二に、數字をもてあそんでいる。日本の防衛白書は、中國の國防費が「1989年度から27年間で約41倍」となったと非難しているが、1970年代末の改革開放初期から90年代後期までの約20年にわたって中國の國防費の増幅が極めて低く、國家の財政支出とGDPに占める割合が年々低下していた事実を無視している。中國の國防費の増幅は1999年以降に拡大し始め、過去の「埋め合わせ」とも言える発展期に入った。中國の國防支出の水準はそれでも、日本を含む先進國との差はまだ大きく、中國の軍人一人當たりの軍事費は日本の自衛隊の5分の1にすぎない。