國連世界遺産委員會は5日、日本から登録申請のあった「明治日本の産業革命遺産」の世界文化遺産への登録を決定した。情報が伝わると、日本は笑みを浮かべ、中韓などの國は厳しい目をした。抗日戦爭?世界反ファシズム戦爭勝利70周年に際し、同遺産の登録申請を巡り、日本の間違った歴史観に対する戦いが新たな段階に突入した。
同遺跡は幕末から明治時代の重工業施設を中心とし、8県の23施設によって構成される。その中には韓國や中國などから強制徴用した數萬人の労働者が働いていた炭鉱のほか、舊官営八幡製鉄所や三菱重工業長崎造船所など、中國から強奪した石炭?鉄資源で侵略戦爭の武器を生産した工場、松下村塾のような拡張と覇権を主張する戦爭の狂人を育成した塾もある。この隣國の國民の苦難、血の涙、報われぬ魂が満ちる原罪の場は、安倍政権によって「西洋以外で最も早く産業化を実現した」栄えある遺産にされた。これは是非を混同しており、自ずと中韓から斷固反対された。
日本は登録申請當初、植民地支配と侵略の歴史を覆い隠すため、「産業革命」という體裁の良い概念を使い、かつ時間を區切るという手法を用いた。日本は施設の歴史を1910年以前とすることで、朝鮮半島の植民地支配、中國に対する侵略戦爭の発動という負の歴史を回避しようとした。しかしユネスコの関係國は韓國の主張を支持し、遺産群は一部の時期に限られるものではないとし、日本に対して、「すべての歴史を全面的に説明」するよう求めた。日本の野望は実現せず、やむなく強硬な態度を和らげ、閣僚級の高官や特使を各國に派遣し説明を行い、かつ労働者の強制徴用に関する記述、記述の內容といった問題について韓國と交渉した。世界遺産委員會の開催國であるドイツは、日本が韓國の要求を受け入れなければ、審議を來年まで延長してもよいとする意見を出した。日本は今年末に委員國としての任期が満了することを鑑み、最終的に譲歩した。
同遺産は世界遺産に登録されたが、余波は治まっていない。
まず、日本國內では言葉遊びをし、前言を撤回する兆しが見えている。官房長官や外相は同遺産が登録された同日、委員會での「forced to work」という表現は「強制労働」には當たらず、日本には「強制労働」の問題は存在しないと表明した。日本メディアの最新の報道によると、國內からはこれを「日本の外交の失敗」と批判する聲が上がっている。
次に、日本が今後どのようにして約束を守るかが注目される。日本は世界遺産委員會で、「世界の人々に関連する歴史の事実を理解してもらうための措置を講じる」、「朝鮮の労働者に関する情報センターの設置を検討中だ」とした。世界遺産委員會の決定に基づき、日本は2017年12月1日までに報告書を提出し、「すべての遺跡の全面的な歴史の理解」の具體的な実施狀況を説明し、かつ2018年の世界遺産委員會で審査を受けなければならない。日本が約束を守るかどうか、國際社會が見守ることになる。
それから、明治維新以降の日本の近代史に対する理解を促す。明治維新後の日本は富國強兵の道を歩み、日清戦爭、日露戦爭を発動し、第二次大戦の闇の深淵に陥った。東京の2度の五輪招致により福島原発事故の深刻な狀況への注目度が高まったことと同様、同遺産の登録申請は明治日本の歴史を明らかにしようとする人々の意欲を刺激する。冷戦によって西側の同盟國から意図的に「無視」され、日本の右翼がひた隠しにしてきた不名譽な歴史が、多くの人に知られることは不可避だ。この歴史への理解の促進は、富國強兵のアップグレード版である、日本のいわゆる積極的平和主義の本質を明らかにするだろう。(筆者:金嬴 中國社會科學院日本研究所副研究員)
「中國網日本語版(チャイナネット)」2015年7月8日