日本と米國の専門家は、福島原発事故から5年が経過するが、漏えいした放射能汚染物質は潮の流れにより太平洋をまたぎ、北米西海岸に影響を及ぼしていると発表した。
東京海洋大學副學長、日本海洋學會副會長の神田穣太氏によると、セシウム137は福島原発事故の放射能漏れの最も中心的な物質で、1?2萬テラベクレルが海洋に流出したという。この數値を5萬テラベクレルと見積もる研究者もいる。
ベクレルは放射性物質の計量単位だ。厚生労働省は福島原発事故後、安全に食用できる野菜?穀物?肉類などの食品中の放射性物質の新たな基準値を、1キロ當たり500ベクレルとした。1テラベクレルは1兆ベクレル。
日本政府は2011年に発表した報告書の中で、福島原発の原子爐3基が放出したセシウムは1萬5000テラベクレルに達するとしていた。米國が第二次大戦中に広島に投下した原爆は、89テラベクレルのセシウムを放出していた。1萬5000テラベクレルは、広島の原爆168発分だ。しかし日本政府內には、原爆を福島原発が放出した放射性物質と、単純に比較することはできないとする観點もある。
神田氏によると、太平洋東部のセシウム濃度は西部より高めとなっている。これはセシウムが潮の流れにより、米國西海岸に到達したことを意味する。