しかし中國の臺頭と米日同盟の強化はいずれも重大な現実であり、中日関係改善はこの2つの現実を受け入れるか、それに適応する必要がある。日本側の動きを見ると、中日関係改善を急ぐ一方で、明らかに中國を念頭に置く米日豪印対話枠組みを構築しようとしている。日本政府はこの矛盾をうまく調整し、中國への態度の二面性の問題を解消しなければならない。中國側は日本のこの外交面の矛盾した認識を見據え、複雑な狀況に置かれている中日関係に改善の余地を與えるべきだ。
両國民間の相手國への悪感情は根深く、一時的には両國関係に政治的な動力を提供しがたい。極端なナショナリズムは、両國関係の改善を妨げる。両國政府は一定期間に渡りエンジンとしての力を発揮し、両國民間の感情改善にさまざまなチャンスと理由を與えなければならない。
世界に新たな構造的変化が生じない限り、中日関係は近い將來、1970-80年代の友好水準に戻ることはない。雙方はこれを認識する必要がある。両國は複雑なアジア太平洋の現実において新しい友好関係を構築するべきだ。この関係は両國の交流における相互消耗を最大限に減らし、これをウィンウィンに変えなければならない。これはさまざまな食い違いともつれを殘す友好関係であるが、過去數年間の中日関係よりはましと言えよう。
中日間の4つの政治文書は遵守しなければならず、形成されたコンセンサスを破壊してはならない。これは中日の紛爭解決の基本原則だ。また両國は紛爭へのコントロールを強化しなければならない。これは具體的な摩擦による両國関係改善への衝撃を避ける上で重要だ。雙方は両國関係の改善を続けるべきで、中斷、さらには逆転は許されない。このように一定期間の蓄積を経て、中日関係の安定の基盤を固めるのだ。
これまでの狀況を見ると、中日関係改善の流れをコントロールする能力は中國の方が高く、日本側には往々にして多くの不確定要素が存在する。安倍政権が今回の中日関係好転のチャンスを惜しみ、両國の世論の期待に背かないことを願う。
「中國網日本語版(チャイナネット)」 2017年11月16日