▲日本が中國(guó)へ寄贈(zèng)した感染癥対策物資の上には、「山川異域、風(fēng)月同天」という文字が印刷されていた(寫真はネットより) あなたはまだ、「山川異域、風(fēng)月同天(山河は異なろうとも風(fēng)や月は同じ天の下にある)」という言葉を覚えているのか? 2カ月余り前、日本が中國(guó)へ寄贈(zèng)した感染癥対策物資の箱に印刷されたこの詩(shī)句が、中國(guó)のソーシャルメディア(SNS)に繰り返し書き込まれ、日本社會(huì)各界が中國(guó)における感染癥対応の正念場(chǎng)にくれたさまざまな支援と同じように、中國(guó)の人々の心に深く刻まれている。 今では、新型コロナウイルスは日本で拡散を続けていて、中國(guó)政府と社會(huì)各界は日本に大量のマスクなどの感染癥対策物資を寄付している。 「鴻雁北一衣帯水の絆かな」 美しい善意のこもった便りが、同様に中國(guó)から日本への援助物資の箱にも示され、「山川異域、風(fēng)月同天」と空を隔てて呼応している。 中國(guó)浙江省の企業(yè)が寄付した2萬(wàn)枚のマスクが、先日東京に到著した。日本浙江総商會(huì)のスタッフは、マスクをいっぱいに詰めた段ボール箱の一つひとつにカラープリント用紙を貼り、そこには日本語(yǔ)で作った俳句と、中國(guó)語(yǔ)に訳した漢俳、そして俳畫が描かれていた。 ▲鴻雁北一衣帯水の絆かな(春暖雁北帰、捎帯心意越洋飛、羈絆衣帯水)(寫真提供?夏瑛) 古詩(shī)を贈(zèng)られ、俳句でお返しする 俳句は、日本の古典的短詩(shī)であり、五七五の計(jì)17音からなり、世界で最も短い詩(shī)歌形式で、余韻、余白、深い思考を誘うことを極めている。俳畫とは、俳句のイメージを表現(xiàn)したものだ。 「相手が分かる言葉を用いて、われわれの本當(dāng)の気持ちを伝えたかったのです」と、上述の俳句の作者である浙江大學(xué)経済學(xué)院の夏瑛先生は、俳句を作った考えについて語(yǔ)る。 夏瑛さんは長(zhǎng)い間日本で仕事をしてきた。4月中旬以降、日本の新型コロナウイルス情勢(shì)が日ごとに厳しさを増し、杭州のある匿名の企業(yè)が日本に2回目の寄付活動(dòng)を行うことを決めた。今回の企業(yè)寄付のコーディネーターとして、夏瑛さんは、寄付する側(cè)の気持ちをよりよく表現(xiàn)するために、俳句づくりを引き受けることとなった。彼女は友人である人民中國(guó)雑誌社の王衆(zhòng)一総編集長(zhǎng)、俳畫について詳しい浙江農(nóng)林大學(xué)蕓術(shù)デザイン學(xué)院の王玉紅副教授を誘い、共に俳句と漢俳、俳畫を一體とした美しい作品をつくり上げた。 ▲鴻雁北一衣帯水の絆かな(春暖雁北帰、捎帯心意越洋飛、羈絆衣帯水)(寫真提供?夏瑛) 夏瑛さんはそのうちの「風(fēng)雨同舟」という俳畫作品について、右側(cè)の船は中日文化交流史における遣唐使を象徴しており、左側(cè)の隋塔は日本の天臺(tái)宗の発祥の地、中國(guó)天臺(tái)山の國(guó)清寺を示していて、左右をつなぐ「之」の字狀の長(zhǎng)い川は、浙江省の人々の気持ちを示すとともに、中日両國(guó)が海を隔てた隣人であり、困難を共に乗り越えていく存在であることを象徴していると紹介した。 感染癥の前で共にする運(yùn)命 早くも3月下旬には、この思いやりのある企業(yè)は、日本浙江総商會(huì)を窓口として2萬(wàn)枚のマスクを寄付しており、早稲田大學(xué)、東京大學(xué)、日中児童の友好交流後援會(huì)などの機(jī)関に提供された。 「當(dāng)時(shí)、私は『山川異域、風(fēng)月同天』のイメージで、希望に満ちた春霞という季語(yǔ)を選び、感染癥が拡大する中にいる日本の方々に、春の暖かさを感じてほしいと思って贈(zèng)りました」と夏さん。 王衆(zhòng)一総編集長(zhǎng)はこの俳句を、「春暉闘春寒、山川異域同風(fēng)雨、共畫同心圓」と訳し、王玉紅さんはこれに基づいていくつかの俳畫を創(chuàng)作した。 この三人の息の合った作品が、ある東京大學(xué)教授の目にとまり、彼らのことを、中國(guó)俳界の「三剣客」と親しみを込めて呼んだ。 ▲山川と風(fēng)雨を輪に春霞(春暉闘春寒、山川異域同風(fēng)雨、共畫同心圓)(寫真提供?夏瑛) 小學(xué)校の教員から大學(xué)の教師、高齢者、醫(yī)療従事者、そして多くの日中友好人士がこの二回の感染癥対策物資の寄付を受け取った。 日本浙江総商會(huì)はさらに夏瑛さんの提案に基づき、対象が異なる感染癥対策物資には異なる俳畫を貼った。多くの日本の友人たちはマスクを受け取った後、感謝の手紙を書き送り、わかりやすい俳句と俳畫が彼らを感動(dòng)させた。 東京大學(xué)から送られて來(lái)た感謝の手紙には、「夏先生の俳句の意境の如く、中國(guó)の皆さまとの友好協(xié)力のもとで、心を同じくしてこの人類的難局に當(dāng)たれば、いつか春の日のようにうららかで平和な日常を取り戻せるにちがいないと信じています」と書かれていた。 ▲日本浙江総商會(huì)の林立會(huì)長(zhǎng)(右)とスタッフが1回目の感染癥対策物資を受け取った(寫真提供?夏瑛) 書畫によって気持ちを伝え、心をつなぐ 2016年夏、ある偶然の機(jī)會(huì)により、當(dāng)時(shí)日中友好會(huì)館留學(xué)生事業(yè)部の部長(zhǎng)だった夏瑛さんは、俳句との縁をもった。2年後、彼女は日本の俳人組織である「天為俳句會(huì)」主宰で、元文部大臣の有馬朗人氏により、同人として推薦された。彼女は仲間たちへの自己紹介の時(shí)、「俳句を通して中日両國(guó)文化の相互理解を増進(jìn)し、中日友好を促進(jìn)したい」と言ったことをはっきりと覚えている。 夏瑛さんは、「今回の感染癥が拡大する中で、俳句が中日民間人士の相互理解とコミュニケーションを促進(jìn)することになるとは意外でしたが、私が望んでいた効果を得ることができ、今後も日本人に親しまれる俳句を用いて、われわれの善意と友情を伝えていきたいと思います」と感慨深げに語(yǔ)った。 現(xiàn)在、日本へ援助する感染癥対策物資のために夏瑛さんに俳句創(chuàng)作を頼む中國(guó)の機(jī)関がまだたくさんあるという。
▲玄鳥至?xí)r空を越えて古都と古都(玄鳥啣書至、跨越時(shí)空古都市、雙城新故事)(寫真提供?夏瑛)
杭州のある物流企業(yè)が京都府に寄付した感染癥対策物資のために俳句を創(chuàng)作していた時(shí)、京都も杭州もどちらも著名な古都であることを考え、夏瑛さんは『山海経』に登場(chǎng)する中國(guó)古代の神鳥「玄鳥」を季語(yǔ)とし、『詩(shī)経』商頌·玄鳥の中の「天玄鳥に命じて 降りて商を生ましむ」から取って、新生と希望をもたらすという意味を込めた。俳畫の中で、鳥は杭州の六和塔から出発している。「玄鳥至?xí)r空を越えて古都と古都」。「三剣客」によるまた一つの俳句作品は感染癥対策物資と共に屆けられ、日本への中國(guó)の情誼を伝えたのだ。 文=姜俏梅(新華社)
人民中國(guó)インターネット版 2020年5月1日 |