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安倍氏の「復帰」、中日関係に暗い影を落とす

安倍氏の「復帰」、中日関係に暗い影を落とす。特に注目すべきは、安倍晉三氏が自民黨內の「清和政策研究會」の會長に推薦されたことだ。清和會は自民黨の最大派閥で、その領袖の認識は日本政府の政策に深い影響を及ぼす…

タグ:自民黨 清和政策研究會 歴史 改憲

発信時間:2021-12-01 10:45:09 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

 先ほど終了した日本の衆院選は、日本の政界を新たに再構築させた。うち特に注目すべきは、安倍晉三氏が自民黨內の「清和政策研究會」の會長に推薦されたことだ。清和會は自民黨の最大派閥で、その領袖の認識は日本政府の政策に深い影響を及ぼす。この動きは日本の內外で「安倍氏の復帰」と呼ばれている。(筆者?于海龍 中共中央黨校國際戦略研究院の學者)


 安倍氏は昨年9月の辭任後も國會議員として政界に殘り、大きな人脈と「世襲政治家」という立場により日本の政局に直接影響を及ぼしている。安倍氏が清和會の會長になり「安倍派」の誕生を宣言すると、より目に見える形で日本の內政と外交に影響を與えることになる。日本の新政権の政策は「安倍カラー」が強くなるかもしれない。


 まず、歴史問題をめぐりさらに右傾化する。安倍氏は典型的な保守派で、歴史問題については修正主義を掲げ、戦後レジームの脫卻による日本の「國の正常化」を目指している。安倍氏は任期內に靖國神社に奉納品を捧げ、2013年には直接參拝した。また安倍氏は「慰安婦」問題の強制性や「河野談話」の合法性などを度々疑問視し、何度も歴史教科書において日本軍國主義の侵略の歴史を美化し、いわゆる「領土教育」を強化した。退任後はその歴史修正主義の言行がさらに怖い物なしになった。安倍氏が清和會の會長に就任すると、その右傾化した言行が日本の歴史問題をめぐる政策により大きな影響を生み、日本と中韓などの東アジア諸國との歴史問題をめぐる対立が続く可能性がある。


 次に、改憲問題でより急進的になる。平和憲法の改正は安倍政権の重要な政治目標の一つだったが、新型コロナウイルスや國際環境などの影響を受け、安倍氏は任期內に目標を達成できなかった。清和會の會長に就任後、安倍氏は派閥の勢力をさらに利用し、自民黨內の保守派議員を団結させ改憲を急ぎ、さらには日本維新の會や國民民主黨などの保守勢力と改憲問題をめぐり協力するかもしれない。安倍氏の弟の岸信夫氏は防衛相の座に著いているが、米國側に協力し「中國脅威論」を喧伝すると同時に日本の安保用の武器の性能を積極的に高め、敵基地先制攻撃能力の保有を目指し、軍事費の対GDP比を上げようとしている。これらは実際の行動により改憲を促進しているが、その裏には安倍氏の支持と働きかけがあるとされている。


 岸田內閣は政権安定を維持し來年の參院選で大勝を収めるため、安倍氏を始めとする保守派の國會議員を積極的に抱き込み、日本國內の保守派の主張に配慮し、日本國內の新たなナショナリズムの呼び聲に応じる必要がある。そのため今後一定期間に渡り改憲問題をめぐりさらに急進的になる可能性がある。今や岸田內閣は「憲法改正推進本部」の名稱を「憲法改正実現本部」に変更したが、これは政界の改憲勢力の主張に配慮したものであり、日本政府の改憲のペースが上がるかもしれない。日本の內外の平和主義勢力は早めに備える必要がある。


 それから、対中政策がより保守化する恐れがある。現職の岸田文雄首相は長期に渡り外相に就任しており、バランスの取れた外交の重要性を熟知している。これは岸田內閣の中日関係改善に契機をもたらした。日米同盟を強化すると同時に、岸田氏は知中派議員の林芳正氏を外相に起用したが、これは一部から中國への積極的なシグナルと見られている。しかし岸田內閣の対中政策は、安倍氏とその腹心の岸氏や高市早苗氏などの保守派政治勢力の影響を受ける。安倍政権が長期的に喧伝した「中國脅威論」や「中國が一方的に現狀を変えようとしている」という説などは、日本國內の中國に対する間違った認識を深めており、岸田內閣の対中政策をけん制することになる。戦後レジームの脫卻、平和憲法改正の目的を達成するため、安倍氏が率いる保守派政治家は引き続き「中國の脅威」を喧伝することで歴史修正主義の機運を高める。「舞臺裏の操作」の強みにより、彼らは日本の外交の実情に余り配慮する必要がなく、その政策の主張は自身の思想と観念に基づくものとなる。これにより今後一定期間に渡り、日本の対中政策がさらに保守化する恐れがある。

 

 ゆえに安倍氏が「復帰」したと言うよりは、安倍氏が終始日本の政界から離れていないと言うべきだ。しかも今や安倍氏は清和會の會長という新たなポストを占めており、その政治的な影響力の発揮により便利な條件が備わった。「ポスト安倍時代」においても、安倍氏は日本國內の政治環境に影響を與えている。

 

「中國網日本語版(チャイナネット)」2021年12月1日

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