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360v360.cn |06. 02. 2024

シャンシャン會いに來たよ! 日本人カメラマン四川訪問記

タグ: カメラマン
人民中國  |  2024-02-06

顧思騏=文 高氏貴博=寫真提供

 昨年11月8日、四川省雅安市にある中國ジャイアントパンダ保護研究センター雅安碧峰峽基地で、パンダのシャンシャン(香香)はタケノコを頬張っていた。數?離れたガラス窓の外では、日本からはるばるやって來たカメラマンの高氏貴博さんが、參観者たちに混じって、カメラでシャンシャンの動作一つ一つを記録している。彼がシャンシャンと再會したのは8カ月ぶりのことだった。


 上野での出會い

 高氏さんの本業はウェブデザイナーだ。高氏さんは2011年8月、パンダと切っても切れない縁を結んだ。その年、パンダのリーリー(中國名?比力)とシンシン(中國名?仙女)が、3年間パンダのいなかった上野動物園にやって來た。彼らを見に行った高氏さんは、思いがけないことに、一目でそのとりこになり、その日、動物園の年間パスを購入した。その後、パンダを撮影するために動物園に毎日通うようになった。

 同年、高氏さんは「毎日パンダ」というブログを開設。毎日飽くことなく、自分が撮ったパンダの寫真をフォロワーにシェアした。彼いわく、毎回、動物園の門を出た途端、すぐに戻ってパンダを見たくなるのだとか。

 子どもが生まれた日以外、上野動物園が開いている限り、高氏さんは毎日パンダに會いに行き、そんな日々が12年も続いた。病気で撮影が止まらないように、高氏さんは健康に特に気を付けた。パンダを長年撮影してきて、彼は自身の體力や行動力、注意力、気力が鍛えられたと感じている。

 2012年、リーリーとシンシンに最初の赤ちゃんが生まれたが、悲しいことにすぐに亡くなってしまった。17年、彼らの2番目の赤ちゃんが日本で誕生。多くの日本人の注目を集めた。動物園はその貴重なパンダの赤ちゃんのために名前を募集。32萬2581通の応募の中から、最終的に「シャンシャン」が選ばれた。

 高氏さんはシャンシャンと上野動物園で5年の歳月を過ごし、シャンシャンに深い感情を抱くようになった。17年12月~22年11月の間に撮った10萬枚のシャンシャンの寫真から920枚を厳選して、「920日シャンシャン寫真展」を東京で開催した。


 雅安での再會

 シャンシャンの両親は中國から貸與されたパンダのため、協議に基づいて、その赤ちゃんは一定の年齢になると中國に返還されることになる。繁殖期のシャンシャンは、お相手探しのため、昨年2月に専用機で帰國し、60頭余りのパンダがいる雅安碧峰峽基地で暮らすことになった。

 雅安は降水量が豊富で、溫度がちょうど良く、森林面積が広く、中國最大のパンダ生息地があり、自然條件がパンダの生活に非常に適している。

 シャンシャンの帰國後、多くの日本の「ファン」たちは中國に來て再會することをずっと待ち望んでおり、高氏さんもその一人だった。シャンシャンは碧峰峽で8カ月近く隔離された後、ついに昨年10月に一般公開されることとなった。

 昨年11月8日、高氏さんは日本のカメラマンや編集者、パンダの情報を発信するインフルエンサーたち16人で構成された「訪問団」に參加し、シャンシャンに會うために碧峰峽にやって來た。彼にとって初めての中國訪問だった。

 その日の午前、メンバーを乗せたバスが基地の入り口にとまった。高氏さんは下車するとすぐにリュックを開け、シャンシャンを撮影するためにカメラのレンズを取り替えた。

 園內バスに乗りシャンシャンが住むエリアまできた高氏さんは、待ちきれない様子でシャンシャンがいつも餌を食べるスポットに行き、首を伸ばしてガラス窓の向こう側をのぞき、「どこにいるんだろう」とつぶやいた。

 実はシャンシャンはまだ林の中で休んでおり、次の餌の時間にならないと出てこないということだった。「シャンシャンを待つのは慣れていますので、上野(動物園)でもシャンシャンの餌の時間までずっと並んで待っていました。もういくらでも待ちます。シャンシャンのためには。餌の時間になればきっと出てきてくれると思いますので……」

 シャンシャンの餌の時間は午後2時。高氏さんは1時半には窓の前に到著し、カメラを構えて待ち始めた。

 40分ほどたち、ついにシャンシャンが體を揺らしながら林から姿を現した。待っていたシャンシャンの「ファン」たちは、まず小さな歓聲を上げ、それから高ぶる心を抑えて、シャンシャンがガラス窓の前に來るのを靜かに待った。

 シャンシャンは皆の前に來て座ると、まずリンゴを食べ、それから器用にタケノコを持ってもりもり食べ始めた。高氏さんはカメラを高く掲げ、その全てを記録した。

 上野動物園で高氏さんは普段、一、二時間並んでやっとパンダを一目見ることができた。だがここでは、シャンシャンが目の前でのんびりと食事する姿を長時間観察できる。「本當もう天國ですね」と高氏さん。「ついに念願のシャンシャンに再會できて、感激の気持ちでいっぱいです。こんな幸せな日はありません。本當に『シャンシャン、ありがとう』という気持ちを心からしっかり伝えました」


 熱心なファンと知り合う

 高氏さんはシャンシャンが新しい環境に適応できるかずっと心配していた。今回その目でシャンシャンを見て、次のように話した。「今見た限りはもうすっかり落ち著いていて、幸せそうに暮らしていて良かったです。やっぱりパンダのふるさとだけあって、一番パンダに適した環境であると思いました。上野にいた頃よりも少しふっくらしていて、とても元気そうにしていて良かったですね。特に大好きなタケノコをいっぱいもらえて、すごく幸せなんだろうなと思いました。上野に比べてとても靜かですし、広いので、すごく暮らしやすいんだと思います」

 撮影が終わると、高氏さんはすぐにたくさんのメディアのカメラに囲まれた。実は、高氏さんとシャンシャンの再會を見屆けようと、多くの中國メディアが前もって待機していたのだ。まるで高氏さんこそが注目を集める「パンダ」のようだ。パンダ好きの中國の若者も高氏さんのパンダ寫真集を持ってきて彼と言葉を交わした。

 特筆に値するのは、高氏さんが、パンダを31年撮影してきた中國のカメラマン?周孟棋さんと顔を合わせたことだ。周さんは中國の有名なパンダカメラマンで、31年間で約10萬枚のパンダ寫真を撮影し、かつて上野動物園でシャンシャンを撮影したこともある。同じくパンダの「熱心なファン」として、二人は會ってすぐに古い友人のように打ち解けた。

 午前中、高氏さんが基地に著いたとき、シャンシャンはもう朝ごはんを食べ終わって休んでおり、午後になってやっと見ることができた。しかし周さんによると、「シャンシャンは普段朝ごはんを食べた後、ここに十數分しかいませんが、今朝は45分もいました。まるで高氏さんが來るのを待っていたようでした」とのこと。周さんは自分が撮影したシャンシャンの寫真を印刷した絵葉書を高氏さんに贈った。高氏さんは、パンダ撮影の先輩にずっと會ってみたかったという。「シャンシャンと同じぐらい會えたのがすごくうれしいです」

 パンダが大好きなことで、高氏さんは中國に來て、たくさんの中國の友人ができ、中國とも切っても切れない縁を結んだ。

「パンダを見ると、誰でも國籍を問わずみんな笑顔になると思うんですね。素敵なパンダを通じて日本と中國の交流がますます深まって、友情も深まってくれたら良いなと思います」


 「人民中國インターネット版」2024年2月6日