中関村図書大廈の石探記博物科學館で23日、琥珀內に閉じ込められた新種「歯胸波眼甲(Notocupes denticollis)」が展示された。新京報記者?陶冉撮影
指導教員に協力し多くの琥珀を磨いた宋丞峻氏(當時14歳)は昨年の年初、ある琥珀が非常に変わっていることに気づいた。1年余りの研究を経て、中國人科學者のチームは今年12月21日、琥珀の中に恐竜時代の昆蟲の新種「歯胸波眼甲」を発見したと発表した。
これは極めて原始的で珍しいカブトムシで、今から約9900萬年前のミャンマーで生息していたものだ。専門家の説明によると、全世界の現存するdenticollisは6種のみで、今回の発見は現在のdenticollisの分類、カブトムシの進化の過程と方向を理解する新たな証拠を提供した。
同研究は北京林業大學の大學生である姜卓寅氏、李英鴿氏、史宏亮博士、及び北京探月學院の高校生の宋丞峻氏、中國科學院動物研究所の研究者で石探記博物科學館の発起人である劉曄氏、中國世紀琥珀博物館館長の孔繁利氏が共同で実施した。論文は國際的な學術誌「Cretaceous Research」に掲載された。
約1億年前のカブトムシの「祖先」が発見
今回の発見は、宋氏の「執著」によるものだった。
宋氏の指導教員である劉氏によると、宋氏は中學1年生の時に石探記博物科學館の科學者チームと共に動植物の知識を學んだ。知識の蓄えと実踐能力の向上に伴い、彼は教員の指導の下、野外科學観測活動及び一部の研究活動に參加した。
劉氏はそれまでミャンマーの科學観測で、數千個の琥珀の標本を収集していた。しかし原石は荒く中がはっきり見て取れなかったため、宋氏が助手になり研磨を行った。
劉氏は「昨年の年初のある日、彼は琥珀を持ち私たちを訪ね、磨きをかけた後に蟲を目にし違和感があると言った。蟲の位置はまだ深く、特にはっきりしていたわけではなかった。私も最初はよく見ようとせず、経験に基づき普通の蟲だと思った」と振り返った。宋氏は教員から意見を聞いても諦めず、琥珀を持ち帰り磨き続けた。蟲と琥珀の縁が近づいてからもう一度確認すると、これが「良いもの」であることが分かった。
科學研究者の検討と資料調査を踏まえ、この蟲が原始的なカブトムシ「denticollis」の新種であることが確認された。さらに琥珀の年代を調べたことで、これが約1億年前の白亜紀に生息していたカブトムシの「祖先」であることが分かった。
その後の研究成果の発表において、チームの教員が論文の主な構成と執筆を擔當し、宋氏もそれに加わった。自ら復元図を描き、種の特徴を描寫するなどした。
劉氏は「彼のこだわりがなければ、この大きな発見はなかっただろう」と述べた。
別の指導教員である陳氏は「それまでの科學訓練により、彼は昆蟲の識別の一定の経験を積んでおり、慧眼を手にした」と述べた。
標本は保存狀態が良好、カブトムシの進化の重要な証拠に
「歯胸波眼甲」の胸にはのこぎりの歯のような構造があり、この名がつけられた。波眼甲は「denticollis」。劉氏によると、denticollisは非常に古いカブトムシで、三畳紀まで遡ることができる。甲蟲類は現在まで數十萬種が記録されているが、現存するdenticollisは6種のみ。「そのため極めて貴重だ」
また現存のdenticollisの形態と比較対照することで、研究チームはこのdenticollisの翅脈構造にそれほど大きな変化がなく、形態がより小さく、形狀がより広いことを発見した。そのためこの過渡形態から、カブトムシの進化の方向を理解することができる。今回の研究はカブトムシの進化の過程を理解する重要な新証拠をもたらした。
陳氏によると、世界にはまだ発見されていない、絶滅した多くの生物が存在する。多くの古生物の発見に伴い、地球の生命の進化に多くの重要な証拠が備わる。「人類の生物の進化の全體に対する認識を覆しうる」
?中國網日本語版(チャイナネット)? 2019年12月27日