12月3日、盲導犬ラッキーは北京で「仕事」を始めた。大連の盲導犬訓練基地からやって來たラッキーは、雄のゴールデンレトリバー。同基地の第一期「卒業生」5匹の盲導犬の中の1匹であり、北京初の盲導犬である。
ラッキーの飼い主である平亜麗さんは、かつてパラリンピックでチャンピオンになったことがある。ラッキーの存在で、彼女の生活は一変した。「ラッキーを連れて歩いていたある日、この子が急に立ち止まって、頭で私の足を軽く押すんです。それでも足を前に踏み出してみると、階段にぶつかったのです。その瞬間、涙があふれてきました。これまで足首や膝に怪我が絶えなかったのは、すべて階段につまずいたためだったからです。ラッキーがいてくれるおかげで、私の目は再び見えているような気がしています」と、平さん。多くの市民もラッキーに関心を寄せた。平さんに會いにやってくる同じように目の不自由な友人たちも、自分も他人に頼らず一人ででかけられるよう、いい盲導犬をほしがっている。
ラッキーがいてくれるようになったとはいえ、平さんの外出にはやはりやっかいな問題がついてまわる。北京のスーパー、地下鉄などには立ち入ることができない。2003年に公布された『北京市養犬管理規定』によれば、犬を連れた飼い主は、市場、商店、病院など公共の場所に入ることが禁じられている。同規定では目の不自由な人と盲導犬について、いくらか考慮してはいるが、事実上北京では、これまで正式に盲導犬を認めてはいなかった。しかし、北京パラリンピックの開催や市民の身體障害者事業に対する関心が高まったことにより、盲導犬が社會に受け入れられるようになるのも、そう遠くない話だろうと、少なからぬ人が考えている。
寫真:平亜麗さんの外出を助ける盲導犬ラッキー
「人民中國」より 2008年4月1日
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