英國(guó)紙『ガーディアン』は「岐路に立つ中國(guó)」と題する特集シリーズを掲載した。同紙はウェブサイト上に、次のようなシリーズ序文を載せた。「中國(guó)の伝統(tǒng)文化では、60年を1スパンとしている。いかなる基準(zhǔn)から見ても、中華人民共和國(guó)のこの60年間は申し分のないものであった。毛沢東が『中國(guó)人民は立ち上がった』と宣言してから今日までの60年間、さらに鄧小平による改革開放スタートからの30年間、中國(guó)は激動(dòng)と繁栄を経験してきた。新中國(guó)は成立60周年を迎えるが、経済、社會(huì)、環(huán)境など多くの分野で問(wèn)題に直面しながらも、その國(guó)際的な影響力と威信は高まりつつある」。

『ガーディアン』は歐米人に馴染みの1週間で1つのテーマを掘り下げるスタイルにより、中國(guó)の政治、経済、社會(huì)、環(huán)境、および対外関係を集中的に取り上げ、現(xiàn)代中國(guó)の姿を描き出した。シリーズ1日目には、中國(guó)の國(guó)際的イメージと影響力に関する議論を伝え、英國(guó)のミリバンド外相の単獨(dú)インタビューも盛り込んだ。ミリバンド外相の認(rèn)識(shí)によると、大きな流れとして中米両國(guó)が將來(lái)『G2』を形成する方向に進(jìn)みつつあるが、歐州が緊密な協(xié)力関係を築き、中米歐による『G3』形成を促進(jìn)できるか否かは歐州の努力次第であるという。

このほかに、このシリーズでは中國(guó)経済の將來(lái)の発展方向に関する考察も行っている。「中國(guó)が世界に踏み出す」と題する記事では、「西側(cè)諸國(guó)で安定の兆しが現(xiàn)れ、中國(guó)の海外直接投資が再び急速に増加すれば、中國(guó)は投資受入國(guó)から投資國(guó)に立場(chǎng)を変えることになるだろう。こうした変化は中國(guó)が様々な方面で成熟したことを意味する」と分析。また、都市部と農(nóng)村部の発展格差も中國(guó)経済における注目ポイントの1つに據(jù)え、改革開放から30年を経た現(xiàn)在、都市部と農(nóng)村部は大きく二極分化したと伝えた。さらに、他の記事で、中國(guó)政府は農(nóng)村問(wèn)題重視の姿勢(shì)を強(qiáng)めており、優(yōu)先推進(jìn)課題に組み込み済みであると指摘している。

また、このシリーズ2日目のテーマとして、環(huán)境と持続可能な発展を取り上げている。この中で、中國(guó)の南水北調(diào)（南方地域の水を北方地域に送る）プロジェクトと西部大開発、さらには積極的に先進(jìn)國(guó)と協(xié)力し環(huán)境保護(hù)事業(yè)の発展を目指す中國(guó)の取り組みを伝えた。南水北調(diào)プロジェクトについては、半世紀(jì)に及ぶ620億ドルをかけたプロジェクトで、テムズ川の流量を上回る水路開通を最終目標(biāo)としているが、巨大プロジェクトであるため中國(guó)で大きな論爭(zhēng)を呼んでいると指摘。さらに、『ガーディアン』は1９日、中國(guó)と米國(guó)は気候変動(dòng)に関する秘密協(xié)議を行い、今秋には最終的に共通認(rèn)識(shí)に達(dá)する見通しであると報(bào)じた。

こうした中國(guó)全體の情勢(shì)に関わるマクロ面の報(bào)道のほかに、『ガーディアン』の記者は深圳の工場(chǎng)、甘粛省のゴビ砂漠、四川省の地震被災(zāi)地などを訪れ、現(xiàn)代の結(jié)婚事情から熱烈な愛國(guó)心に至るまで、様々な問(wèn)題に対する庶民の意識(shí)を探った。

中國(guó)社會(huì)科學(xué)院農(nóng)村発展研究所の李國(guó)祥研究員は先月19日、『環(huán)球時(shí)報(bào)』の取材に応じ、「中華人民共和國(guó)の発展に対し、西側(cè)諸國(guó)は懐疑的な態(tài)度を持ち続けていたが、今回の『ガーディアン』の報(bào)道からは、少なくとも西側(cè)メディアが中國(guó)の発展を論理的に判斷しとらえるようとする姿勢(shì)がうかがえる」と述べた。また、こうした変化の裏にある原因として、中國(guó)が紆余曲折を経て、國(guó)力を著実に高め、この數(shù)年で一層発展を加速させたことで、その世界的な影響力が向上し続けた點(diǎn)を指摘。特に、昨年の世界的な食糧不足と金融危機(jī)のような國(guó)際的な課題に対応する中で、中國(guó)の実力が突出していたことから、海外諸國(guó)の中國(guó)に対する認(rèn)知度と注目度が高まったとしている。

さらに、西側(cè)メディアが注目する中國(guó)社會(huì)の発展の中に存在する問(wèn)題について、李研究員は「中國(guó)に一連の問(wèn)題、つまり都市と農(nóng)村の発展格差や環(huán)境問(wèn)題などが存在していることは確かであり、否定できない。しかし、これらは経済と社會(huì)の発展過(guò)程において現(xiàn)れた問(wèn)題であり、中國(guó)は解決に努力している」と説明。その上で「中國(guó)は60年間の発展を経て、これまでにない開放的で自由な社會(huì)となり、影響力を有する世界大國(guó)に成長(zhǎng)する中で、海外諸國(guó)の中國(guó)に対する注目度も高まっている。西側(cè)メディアの報(bào)道もこうした點(diǎn)を取り上げている」と指摘した。これに加えて「國(guó)情と価値観が異なるので、中國(guó)は西側(cè)諸國(guó)と全く同じ道を歩むことはできない。このため、今後も中國(guó)と西側(cè)諸國(guó)の協(xié)力関係は必ずしも順風(fēng)満帆とはいかず、両者の衝突はたびたび起こるだろう」と述べた。

「チャイナネット」　2009年6月4日