ブルームバーグは19日、中米の軍機が接近した件について、「フィリピンが中國を相手取り申し立てた、南中國海問題の仲裁の裁決がまもなく下されようとしているが、米中間では緊張感が高まっている」と報じた。ジャパン?タイムズは同日、「本件はオバマ大統領がアジアで開催されるG7サミットを控え、日本の安倍晉三首相がG7で南中國海問題に関する統一戦線を形成し、中國の高圧的な動きに対抗するなか発生した」と伝えた。
中國の南中國海問題の専門家は、環球時報に対して、「EP-3は頻繁に南中國海を偵察に訪れている。定期的でもあれば、不定期的でもある。米國は今回、仲裁の結果が出る前に本件を大げさに取り上げることで、南中國海問題の熱を維持しようとした。現狀を見ると、フィリピン新大統領の就任により、中比関係が好転する可能性がある。中國は國際社會での取り組みを続けている。米國は法的な圧力をかけようとしているが、中國から対処されている。しかし米國は南中國海問題の安定化を望まず、話題を何度もこしらえている。今や米國の觸角は、南中國海に伸びている。これは中國の海洋権益の中心が南中國海にあるためであり、そのため米國のアジア太平洋リバランスも南中國海を手がかり、重要な場としている。米國が南中國海で、中國に近接偵察する頻度を高める可能性を否定できない」と分析した。
アルジャジーラは19日、「南中國海を軍事化させているのは、中國ではなく米國=外交部長」と題した、中國の王毅外交部長のインタビュー記事を掲載した。王部長は、「軍事化と言うならば、我々は南中國海に空母が、さらにその上空に戦略爆撃機が來て、中國の島礁にミサイル駆逐艦が絶えず接近し、中國に軍事的圧力をかけているのを目にしている。おそらくこれこそが軍事化なのだろう。それから大規模な軍事演習、それからフィリピンによる各種軍事基地の建設もそうだ」と述べた。
軍事専門家の趙小卓氏は、環球時報に対して、「中米の南中國海の対立は、すぐに解消できるものではなく、一定期間に渡り常態化された現象になるだろう。中米両國は各自の安全?軍事戦略で、譲歩の余地を失っており、これがその根本的な原因となっている。米國の南中國海への軍事介入は、その覇権主義という本質によるもので、主に同盟國の間での國際的な信用を維持するためだ。米國の南中國海における勝手な行為に対して、中國は必ず反撃し、國と領土の保全を守ることになる」と述べた。
「中國網日本語版(チャイナネット)」2016年5月20日