香港紙?南華早報は8日、「トランプ氏、中國の一帯一路をいかに後押しするか」と題した記事を掲載した。要旨は下記の通り。
米國の保護貿易主義と外交の孤立主義は、中國の「一帯一路」(シルクロード経済ベルト、21世紀海上シルクロード)を後押しする力を生む。わずか數カ月で、トランプ大統領は自國優先の政策を発表し、一帯一路をグローバル化の旗印にした。コーネル大學の経済學者である李善軍(音訳)教授は「トランプ大統領の保護主義は、一帯一路が地域國際貿易の抵抗勢力になるよう後押しする可能性がある。これはさらに北京のソフトパワーを強化することが可能で、中國の國際的な影響力にとっての転換點となる」と指摘した。
キングス?カレッジ?ロンドンのラウ?チャイナ?インスティチューション院長、中國事業専門家のケリー?ブラウン氏は「一帯一路は、中國が地域および世界における自國の役割と構想をより積極的に説明するための、初の真の試みだ。この構想はかつてないほど海外の興味を引いているため、成功したと言える」と述べた。
一帯一路は、経済?政治?外交の一石三鳥を目指しているという分析もある。経済的には、貿易障壁を減らし投資家のチャンスを増やし、自由貿易と投資?経済のグローバル化を促進する。政治的には、世界最後の共産黨の大國である中國は、冷戦時代の価値観による孤立を防ぐため、有人と政治の盟友を必要としている。中國はさらに非同盟運動により、発展途上國世界における指導的地位を取り戻そうとしている。外交的には、中國は拡大を続ける経済力により、地域と世界における影響力を拡大しようとしている。さらには世界一の大國である米國と並ぶことで、世界の貿易?文化?政治の中心としての、中國の歴史的な地位を取り戻そうとしている。
地域內の多くの発展途上國は、中國が自國のインフラ問題の解消に力を貸すことを歓迎する。一帯一路には、モンゴル、ラオス、カンボジア、キルギスタン、パキスタン、タジキスタン、バングラデシュ、ネパール、ミャンマーが含まれる。いずれもインフラ整備が最も遅れている40カ國內に入っている。また人口が世界2位の大國であるインドも、インフラ整備の遅れで有名だ。
オックスフォード大學経済學部アジア経済擔當者のLouis Kuijs氏は「一帯一路の一部の國に対する、短期的な経済成長への影響は限定的かもしれない。しかしプロジェクトが順調に進めば、これらの國の長期的な成長と発展に対して、大きな影響を及ぼす」と指摘した。報道によると、昨年末まで100以上の國と國際機関が、一帯一路への支持を表明した。専門家は「一帯一路が中國のユーラシア大陸における、経済?政治的影響力拡大の基礎を固めたと言っても過言ではない」と話した。
「中國網日本語版(チャイナネット)」2017年5月9日