トランプ米大統領は「今回の訪問で海外大統領と交流し、中東の平和を築くことに期待している」と表明した。CNN(電子版)によると、トランプ大統領は19日に初の外遊に乗り出し、サウジアラビア、イスラエル、バチカンを訪問する。トランプ大統領の外交デビューには、どのような目論見があるのだろうか。米國の外交政策の、どのような調整を反映するのだろうか。
トランプ大統領の出発前、ホワイトハウスの高官は現地メディアに対して、両國が1000億ドル以上の兵器輸出協定を結ぶ可能性があると明かした。この兵器の「ビッグプレゼント」には、陸海空軍で使用されるハイレベル兵器?裝備が含まれ、交渉は「最終段階」に入っているという。トランプ大統領の訪問に対して、サウジ側も大きな熱意を示している。現地紙『リヤド?ヘラルド』は漏洩した文書を引用し、サウジがトランプ大統領を歓待するため、2億5700萬リヤルの経費を拠出したと伝えた。これはサウジにとって最大の厚遇となる。
ワシントン?ポスト紙によると、トランプ大統領の今回の外遊には、2つの異例がある。まずオバマ前大統領は就任100日內に3回外遊し、9カ國を訪れていたが、トランプ大統領の外交デビューの時期は多くの歴代大統領よりも遅い。次にトランプ大統領は大半の米大統領のように、カナダやメキシコを初の訪問先に選ばず、伝統を破り遠い中東を選んだ。
トランプ大統領の中東初訪問は、米國の影響力を拡大し、米國と中東の同盟関係を強化する上で非常に有益だ。
中國社會科學院米國研究所の袁征研究員は、トランプ大統領がサウジを初の訪問先に選んだ原因について「雙方の関係は緊密で、歴史も古い。サウジは中東、アラブ世界で重要な影響力を持つ。またサウジは石油を豊富に産出し、大きな経済力を持つ。米國製兵器のお得意様として、米國から重視されている」と分析した。ホワイトハウスも4日、トランプ大統領が両國の「堅固なパートナーシップ」を再確認すると発表した。
またサウジは、米國のイスラム國?イラン攻撃の重要な力となっている。
「米國優先のスローガンは、米國のリーダーシップとまったく相反しない」。ワシントン?ポストによると、ホワイトハウス高官は記者會見で「米國の國益を強調するトランプ大統領は、同盟國との関係を弱める可能性があると見なされているが、実際には同盟國を非常に重視している」と話した。
袁氏は「トランプ大統領は外交政策で徐々に、共和黨の伝統的な路線に回帰しつつある。共和黨は民主黨よりも中東、イスラエルを重視している。イランに対しては制裁を拡大し、常に圧力をかけている。これは共和黨の伝統的なやり方だ」と指摘した。
「中國網日本語版(チャイナネット)」 2017年5月18日