中國共産黨第19期中央委員會第4回全體會議(四中全會)は、昨年2月に開かれた第19期三中全會に続いて政治問題がテーマとなった。昨年、一部の日本メディアは主に経済問題が話し合われるのではないかと分析していたが、「社會主義現代化強國」の建設に向けて改革をスムーズに進めるため、中國共産黨は國家ガバナンスシステム?ガバナンス能力の現代化を中心議題にすることを判斷したのではないかと考える。本稿では、中國の社會主義制度の歴史的変遷、中國の社會主義の強みについて、筆者の考えを述べたいと思う。
中國共産黨の理論や政策は時代と共に変化しており、中華人民共和國成立以降、中國の社會主義制度と國家ガバナンスシステムも時代と共に進化してきた。中國の社會主義制度は、政治面では中國共産黨の政権運営を全人代が監督し、政治協商會議が政策上の助言を與えるというものだ。経済面では、社會主義と市場経済を組み合わせた「社會主義市場経済」だ。
中國共産黨は舊ソ連を中心とするコミンテルンが打ち出した都市プロレタリア階級の蜂起による革命のやり方に依拠せず、多くの農民に依拠するという獨自の革命を進め、勝利を収めた。中國共産黨は強力なリーダーシップの下で、限られた資源を國が必要とする分野に投入する計畫経済を実施し、急速な工業化を実現した。
ただし、重工業の発展を重視する舊ソ連式の計畫経済モデルは、農業が大きなウェートを占める中國では「しっくり來ないもの」だった。そのため、毛沢東は1956年4月に「十大関係を論ず」という講話を行い、工業と農業?軽工業の重視や內陸部と沿海地域の発展の重視など中國式の社會主義の青寫真を示し、「中國の道」を模索していった。だが當時はイデオロギー重視の経済建設を行っていたため、経済が大きく発展することはなかった。
改革開放後の中國は、現実に即して理論を構築していくという姿勢で市場経済を取り入れ、経済を活性化していった。また、國有経済と集団経済のみを社會主義を発展させる力とするのではなく、民間企業も社會主義を発展させる重要な要素と位置づけ、競爭を活性化させていった。このように、中國の社會主義制度と國家ガバナンスシステムは中華人民共和國成立以降の歴史の中で発展してきており、現在も進化を続けている。
中國が持つ政治制度の優位性が人々の幸福に資する
今回の四中全會は、中國の社會主義制度と國家ガバナンスシステムの強みを13ほど挙げているが、筆者が中國の社會主義の大きな強みだと感じたのは、「黨の集中的?統一的指導、黨の科學的理論を堅持し、國が一貫して社會主義の道に沿って前進していく」という強み、「人民を中心とする思想を堅持し、民生の改善、人民の福祉の増大を絶えず保障し、共同富裕の道を歩む」という強みである。