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米「民主的移植」に逆にかみつかれる

中國國際放送局  |  2021-12-26

米「民主的移植」に逆にかみつかれる。

タグ:民主

発信時間:2021-12-26 15:41:46 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

 アメリカの文化遺伝子には逆説があります。米國例外主義を固持して、米國自身を自由の神話や化身と見なし、米國の成功を唯一無二の米國精神に帰著するところがある一方、米國式民主主義の普遍性を固持し、対外的には「自由と獨立」などの名のもとで「民主主義の移植」を大々的に行い、米國のイデオロギーや価値観、ライフスタイルなどと「異なる」他國や文明を「米國の敵」と見なし「破壊する」べきだとし、そうでなければ、「後進國」として米國と「同じ」ように改造するべきだ考えているようです。


 米國では國內の精神的不適合が強まっているにも関わらず、外部世界、特に「米國の敵」に対しては、高い適合性があります。つまり、「いかなる米國のライバルや脅威的存在も許さない」という考えが米國が世界制覇以來の基本的な社會的共通認識となっています。この共通認識に基づき、対外的に戦爭を起こしたり、「民主的移植」を行ったりすることが、米國では幅広い民意の基盤となっています。


 しかし、米國が対外的に行った「民主的移植」には、成功よりも失敗が多いのも事実です。西アフリカのリベリアはその一つの例として挙げられます。リベリアは米國に「民主的移植」のモデルとされ、建國から2003年まで100年以上の內戦を経て、社會的対立が続き、今日では世界で最も貧しい國の一つになっています。米國が軍事介入や他國に対する「政治的改造」を強行した失敗例は枚挙に暇がありません。


 米國は対外的に「民主的移植」を行うことにたびたび挫折してきただけでなく、國內では例外主義が長らく自由主義や文化左派から挑戦されてきました。近年、こうした課題は、経済のグローバル化、産業の空洞化、米國の人口構造の変化等を背景に深刻化しています。米國では2017年のシャーロッツヴィル事件や2020年のフロイド事件など、國內で人種関連暴力事件が絶えず発生し、米各地の抗議と騒亂を引き起こしただけでなく、米國の「文化戦爭」あるいは「オルタナティブ內戦」に火がつきました。白人アイデンティティ政治と多元的アイデンティティ政治の対立が全米各地で激化する一方、「我々は何者か」「米國はなぜ米國になるのか」といった米國の民族や國家のベースラインにかかわる対立が顕在化しています。


 保守主義と自由主義の両陣営が、アイデンティティ政治を政治的権力と文化的主導権を奪い合う道具にしている間は、米國內部の文化と文明の衝突は続くことでしょう。また、その衝突は人種の衝突、階層の矛盾と複雑に絡み合い、米國人の文化的アイデンティティーを脫構築していくに違いありません。米國は今、「民主的移植」にかみつかれています。


   「中國國際放送局日本語版」2021年12月26日


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