外交部の劉建超報道官は4日、「中日雙方は両國関係に影響を及ぼす政治的障害の克服と、両國の友好協力関係の健全な発展で一致した。これにかんがみ、溫家寶総理の招請に応じて、日本の安倍晉三內閣総理大臣が10月8日と9日に中國を公式訪問する」と発表した。安倍首相の訪中について、専門家の見解を聞いた。(新華社記者:常●)
▽秦亜青?外交學院副院長
安倍氏の訪中は「氷を破る」訪問になるだろう。中國は、9月26日の安倍氏の首相就任後、初の訪問國だ。これは日本の新指導者が現在の中日関係の膠著狀態を打破し、訪中を契機に両國関係を改善したいとの希望を持っていることを明示している。
小泉純一郎前首相は任期中の5年間、A級戦犯を祀る靖國神社を頑なに參拝し続けたことで、日本と中韓両國との政治関係を著しく後退させ、日本のアジア外交を孤立という苦境に追いやった。
日本とアジア隣國との政治関係の悪化は、日本の國益に沿わないばかりか、日本の同盟國である米國や他のアジア諸國をも憂慮させている。日本を次第に孤立させるこうした外交は、日本に地域問題で重要な役割を発揮させるどころか、かえって日本の國益と國際的イメージを損なう結果となった。このため、大多數の日本人は新首相に、日中関係、日韓関係を改善し、日本をアジア外交の苦境から脫卻させることを期待している。
安倍氏は自民黨総裁選の施政綱領で、中國や韓國など隣國との信頼関係の強化に盡力すると表明した。自民黨と連立與黨を組む公明黨は、9月25日の連立政権合意で、中國や韓國を中心とするアジア隣國との関係をさらに強化すると言明した。
▽阮宗沢?國際問題研究所副所長
アジアの他の國々は、中日関係の積極的な発展を望んでいる。中日関係の改善は、アジア統合の推進に積極的な意義を持つ。今やグローバル化や地域化のレベルは深まり続けており、歐州連合(EU)や北米自由貿易地域などの地域統合はすでに相當深いレベルに達している。中日両國は、アジア、さらには世界の重要な経済大國であり、雙方が手を攜えて協力することができれば、アジア統合は新たな春、大発展の時期を迎えるだろう。
近年來、中國経済が急成長し、アジア、さらには世界は、中國の発展がもたらすチャンスを意識するようになっている。世界第2の経済大國、アジアの経済大國の指導者として、安倍氏は戦略的視點を持ち、時機を判斷して情勢を推し量り、両國関係の改善が自國の利益にもたらす積極的な影響に目を向けるべきである。
▽徐敦信?元駐日大使
今回の安倍氏の訪中で中日間のすべての問題を解決することはできない。安倍氏は中日関係に存在する問題の複雑性と長期性を考慮し、中日関係の將來性について「慎重な楽観」を表明した。安倍氏はアジア隣國との関係改善の意向を表明したが、最も重要なのは実際の行動である。中日雙方が真に問題を実質的に解決し、これまでの共通認識を実行に移すには、なお長い時間が必要だろう。
中日関係に存在する問題は複雑に錯綜し、入り組んでおり、これらの問題を完全に整理するには、新たなスタートを切り、第1歩を踏み出すことが必要だ。過去5年間の中日関係の苦境において、両國は両國関係に影響を及ぼす問題について、建設的な議論を進めることができなかった。日本の新首相の訪中は、両國の上層部の今後の意思疎通と交流に道を切り開くとともに、問題の一層の検討と解決に良い基盤を固めるものだ。今回の安倍氏の訪中は中日関係の発展にとって新たなスタートであり、雙方は自國の発展や、アジア、さらには世界に対する中日関係の重要な位置と役割を再確認するだろう。したがって、訪中自體が1つのプラスの成果なのだ。
●は王偏に路
「人民網日本語版」2006年10月5日