ギリシャ危機の原因を探る①歐州中から斷罪される「ギリシャ式生活」
「歴史的舊跡として世界に名が通るギリシャは早晩破綻し、財政の廃墟となるだろう」とは英國『デイリーテレグラフ』の寸評である。歐州中を巻き込んだギリシャの財政危機のなか、ギリシャ人は「世界で最も浪費癖のひどい人々」という烙印を押された…
ワシントンのシンクタンク、ブルッキングス研究所が発表する予定の研究報告では、賄賂や獻金、その他の公職汚職によって毎年ギリシャ政府はGDPの8%にあたる200億ユーロ以上を失っているとされる。世界銀行とトランスペアレンシー?インターナショナルによる反腐敗ランキングにおいて、ギリシャはユーロ圏とEUの中で最下位である。トランスペアレンシー?インターナショナルの3月調査報告によると、昨年ギリシャでは13.5%の家庭が贈賄経験を持ち、平均で一家庭1355ユーロの贈賄額だった。「ギリシャの庶民は現金入りの封筒でもって車の免許証や病院の予約、建築許可をとったり、稅負擔を軽減してもらったりする」と報告書には記されている…
ギリシャ観光局の対外宣伝スローガンは「ギリシャ神話の中で暮らそう」だが、まさにその神話がいま崩壊しようとしている。ギリシャ政府は2日、給與と年金を削減し、稅収増加等の緊縮措置をとることによって國際援助に換えることを表明したが、早くも悲観的観測がこの國を覆い始めている。數十年続けた生活習慣を、今さら誰が喜んで変えようとするだろうという疑念である…
ギリシャとドイツのつばぜり合いによって、財政危機は政治問題に発展した。英國『フィナンシャル?タイムズ』の副編集長フィリップ?ステファンスは4月29日の記事の中でこう指摘している。「歐州の団結はギリシャの財政危機によって揺らぎ、國益爭いの中で歐州は解體されようとしている。ギリシャ人が思うままに浪費することによって、ドイツ人の持つ優越感がくじかれたのだ。しかし本當に憂慮すべきことは、通貨同盟が存続の拠り所としていた政治的信頼と相互支援體制が根本から崩壊しつつあること、そして一連の出來事によってユーロ圏の指導者の無能さが浮き彫りになったことである…
中國にとって、今回の危機による直接的影響は限られているが、間接的影響を甘く見てはいけない。歐州委員會は先日発表した春季経済見通しで、ギリシャの債務危機とユーロ圏諸國の財政悪化がEU経済の回復を脅かす主な要素となると指摘している。EUは中國の最大の輸出市場であり、回復の勢いが衰えたEU経済が今回の債務危機により困難に陥れば、中國の輸出情勢はさらに複雑となる???
ギリシャの財政危機が歐州、ひいては世界経済の回復に影響を及ぼしている。日本の経済學者は5月6日、「ギリシャの財政危機を対岸の火事という態度で見ていてはいけない。日本の財政危機はギリシャよりずっと深刻だ」と警告した…
日本の債務と経済構造からみれば、日本でギリシャのような財政危機は発生しないと考えられる。日本の政治家がこのごろ債務問題を警告しているのは、背後に內政と経済外交における戦略的考えがあるのかもしれない。1つ目は參議院選挙が迫っていることだ。もう1つはこれを機會に日本円を切り下げることだ…
「中國網日本語版(チャイナネット)」 2010年5月12日